オンライン研修を運営する上での受講費の徴収方法について

先月開催された第25回全国医療ソーシャルワーカー協会会長会。その時にも指摘はしましたが、オンライン研修を行う際、受講費をどの様に徴収するかが課題となります。無料で行うのであれば比較的簡単に運営できると思います。しかし、オンラインとは言え講師料を支払ったり、場合によっては収録のために講師に来ていただく場合、収録現場の会場費・備品費・交通費も発生するためそのコストをどうするかという課題が付いて回ります。無論、会員から頂いた会費を財源に無料で実施するという方法もあるでしょう。

しかし、協会運営は研修だけでなく会員に向けた様々な情報発信や行政や他団体が主催する各種会議への出席や交渉、理事会などあり、そこにもコストが発生します。そうすると、収益は望まなくとも、研修に伴い発生するコスト分だけでも受講費を頂きたいと考える場合もあるかと思います。

ここで課題となるのが受講費の徴収方法。集合研修ではないので、いつも通り現地で徴収ということができません。ある程度規模の大きな職能団体であれば、常勤でなくとも事務員を雇っていて入金の確認や受講決定通知の送付などを対応してもらうことができます。しかし、そうでなければ日常業務をしながら常時入金の確認と受講決定通知の送付を理事あるいは研修担当者がするというのは厳しいものがあります。結構問い合わせやキャンセルの連絡などもあり、その対応も必要です。

オンライン研修に移行できない理由の主なものは、ZoomやTeamsの操作方法など技術的な問題と思いますが、もう一つ受講費の徴収方法がボトルネックになっているのではないかと改めて思う訳です。

愛知県協会では、コロナ禍に見舞われる前の昨年度からPeatixによるオンライン申込・入金システムを採用したため、受講費の徴収方法というボトルネックは感じることなく、スムーズにオンライン研修へ移行することができました。イベント管理システムは他に、こくちーずプロというサイトもあります(それ以外は例えばこちら)。どちらのサイトも、初期登録料な不要。販売手数料としてPeatixは、受講者1名ごとに受講費×4.9%+99円が発生。こくちーずプロは、受講者1名ごとに受講費×6%+100円が発生。基本どちらのサイトもクレジット決済ですが、Peatixは、クレジット以外にもコンビニ・ATM(一部銀行)を選べます。クレジットを利用することは極力控えたいという方や職場の受講費支払規程によりクレジットは不可という方もいらっしゃいます。そのため、手数料が安さと入金方法が複数ある、システムのユーザビリティから総体的にPeatixを選びました。しかし、2020年8月からPeatixはコンビニ・ATMでの支払は残りつつも運営者側ではなく受講予定者側に手数料220円を上乗せして支払う運用に変えてしまいました(但し、キャンセルの手数料は500円→340円に値下げ)。とはいえ、入金手数料が追加されても依然としてコンビニ・ATM支払の方が半数近くいる現状からはそのニーズは依然としてあるということだと思います。初期登録料がかからないため、規模の小さな職能団体であっても、受講費の設定をしっかりすれば十分使いこなすことが可能です。

最近は、各イベント管理システムでオンライン研修用の工夫をしており、Peatixでは事前入金者でなければ観れない当該研修専用の視聴ページが自動で開設されます。例えばそのページにZoomのミーティングURLやパスコード、YouTubeの限定公開URLをUPして、受講者に見に来てもらうようにすれば、「メールで案内したけれど、URL変更になっちゃった。案内間違えてた。また送らなきゃ・・・」というミスがなくなります。ミスに気が付けば視聴ページを修正すればよいからです。他にも、事前入金者には研修数日前に研修お知らせのメールが自動で転送されたり、一度受講してくれた方には、以後新規研修をアップすると自動でお知らせしてくれたり、受講者のメールアドレスを把握していなくても、Peatixが自動仲介してメールのやりとりが出来たりします。受講者側・運営側双方にとって楽です。

オンライン研修の運営で受講費の徴収方法にお悩みの職能団体運営スタッフの方にとって、参考になれば幸いです。