新刊案内

タイトルに惹かれて購入したが、本文208ページ中、第5章小児がんのトータル・ケアの章は、31ページのみ。それ以外は治療に関する話題が中心。著者らは、聖路加国際病院の副院長および小児科医長。 MSW関連の文章としては以下の通り。われわれ自身が職種の呼称をぞんざいに扱ったため、MSWを指す呼び名はバラバラになってしまっています。 (a)ケースワーカー がんの子どもとその家族をひとつの単位としてとらえ、家族内のそれぞれのメンバーについての社会心理的な支援を考えます。経済的な問題についてもプロフェッショナルです。この支援隊(著者注:ケースワーカー、病棟保育士、チャイルドライフスペシャリスト、ホスピタルプレイスペシャリスト、小児心理士、教師、宗教家)においてだれかがリーダシップをとるならば、一段高い見地から見ているケースワーカーがもっとも適任かもしれません。(p178)
細谷亮太ほか『小児がん―チーム医療とトータル・ケア (中公新書)中央公論新社 発売日:2008年11月25日 ○内容(出版社HPより) 小児がんは医学の進歩によって七〇~八〇パーセントの症例で治癒が見込めるようになった。しかし、三歳以上の子どもの死亡原因のなかでは、事故に次ぐ第二位の座をいまだに占めている。小児がんは大人のがんとどこが違うのか。どういった種類があるのか。そして、小児がんになった子どもに対して、まわりの大人はどのようにサポートすべきだろうか。症例コラムを交え、緩和ケアや家族への対応についても考察する。 ○目次第1章 小児がんとはどのような病気か(疫学について—基礎編1 病因・遺伝について—基礎編2 染色体と遺伝子—基礎編3) 第2章 小児がんの種類と特徴(白血病 悪性リンパ腫 脳腫瘍 神経芽腫 臓器の腫瘍 骨腫瘍 その他の腫瘍 類縁疾患と先天性疾患・二次がん 生存曲線の読み方) 第3章 小児がんの診断と治療法(小児期悪性腫瘍の疫学 診断とアセスメント 造血幹細胞移植 化学療法 放射線療法 外科療法 検査値の読み方) 第4章 標準治療がうまくいかなくなったらどうするか(実験的治療 代替医療 緩和医療 思春期・若年成人の急性リンパ性白血病の治療について) 第5章 小児がんのトータル・ケア(チーム医療とトータル・ケア インフォームド・コンセント緩和医療 家族への対応 治療後のQOL 心理的ならびに社会的なQOL) 小児がん チーム医療とトータル・ケア