2026.1.23開催の、中央社会保険医療協議会 総会(第644回) 議事次第|厚生労働省
に、総-2個別改定項目について(その1)が掲載されました。807ページ。
追記 1.30 個別改定項目について(その3)が掲載されています。
以下、自分の問題関心に引き寄せつつコメントしたいと思います。急性期病院や大きな枠組みでの議論は他の先達の方々の記事をご覧あれ。
令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)に係るこれまでの議論の整理(案)に対するコメントは、以下のXの一連のポストを参照ください。
それでは、はじめますか🥹
— 樋渡貴晴 (@hiwatashi_msw) 2026年1月9日
令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)https://t.co/R64CdEh9F0 pic.twitter.com/ksFDm4zYZz
■入退院支援加算・精神科入退院支援加算
入退院支援加算と精神科入退院支援加算双方を届け出ている病院の場合、精神科入退院支援加算の専従・専任の精神保健福祉士が社会福祉士資格を有する場合、入退院支援加算の専任・専従の社会福祉士を兼務することができると。
■介護支援等連携指導料
「居宅介護支援事業所等の介護支援専門員等との連携及び地域の入退院支援に係る情報共有等の規定」とは何かについて、施設基準待ちにはなるが、これまでの中医協での議論を踏まえると、市町村が実施する在宅医療介護連携推進事業等による「入退院支援ルール」の策定が条件になるであろうか。なお、施設の「2」はあくまで入退院支援加算1の届出を行っていることが前提となる。
〇コメント
「2」が何点高いかにもよるが、入退院支援ルールが未策定の市町村においては、自治体に声掛けし、各医療機関あるいは医療機関は市内の介護支援専門員らとの申し合わせによりルール策定が必要。「個別対応から仕組み化へ」は、今回の診療報酬改定で介護保険や障害者福祉との連携において共通するメッセージの様に感じる。
介護支援等連携指導料の要件を見直については、これまでの中医協での議論を踏まえると、市町村が実施する在宅医療介護連携推進事業等による「入退院支援ルール」の有無により、1と2(ルールに基づかない場合)に分けた点数設定となるだろう。
— 樋渡貴晴 (@hiwatashi_msw) 2026年1月11日
第624回中医協総会https://t.co/528irXZ03Q pic.twitter.com/SuZzxHkRgo
■療養・就労両立支援指導料
・算定可能な期間3か月→6か月に延長
・対象疾患の定めを廃止!!
・相談支援加算を現行の50点から引き上げる
〇コメント
誰もを悩ませる「当該患者と当該患者を雇用する事業者が共同して作成した勤務情報を記載した文書の内容を踏まえ」が今回も残った。誰が、この条件にこだわっているのか。この文章がトリガーとなっている限り、病院側は算定が難しい。色々緩和しても伸びは低調なままであろう。ちなみに、第10回NDBオープンデータ|厚生労働省によると令和5年度1年間で全国で「療養・就労両立支援指導料(初回)」は1,164回しか算定されていない。2回目以降は599回。「患者の求めに応じて」、「患者の同意を得て」という条件で算定で良いのではないか。その上で、雇用する事業者が勤務情報を記載した文章を提出する場合は、上位得点算定という構造の方が診療の流れとして自然である。という話を、平成30年度の創設以来8年間言い続けている。
■がん患者指導管理料
今回、大注目のがん患者指導管理料。(その1)では、がん患者指導管理料イにおいて、意思決定支援の文脈が加わり算定回数が1→2回に増える。しかし、肝心のがん患者指導管理料ロor新設ホで社会福祉士による算定については記載なし。あと、「イ」について、サラッと「入院中の患者以外の」が削除され、入院中の末期の悪性腫瘍患者も算定対象となっている。この文言は「イ」以外のがん患者指導管理料も同様となるか今後注目。
がん患者指導管理料は社会福祉士も算定職種にようやく追加の模様。
— 樋渡貴晴 (@hiwatashi_msw) 2026年1月11日
長年日本協会から要望。坂本はと恵氏らの厚労科研の研究成果が根拠となった。がん相談支援センターの社会福祉士はかなり算定が多いはずなので、各病院今から準備を🥹Congratulation!!
第624回中医協総会https://t.co/RjMauKwhHD pic.twitter.com/ZDsEM7vcWl
これは2月下旬〜3月上旬頃の告示・通知待ちですね。
■精神病棟入院基本料 精神病棟看護・多職種協働加算
精神病棟入院基本料及び特定病院精神病棟の13対1、15対1の看護基準において、精神保健福祉士・作業療法士・公認心理士を配置した場合を評価。冒頭では、「多職種の配置による質の高い精神医療の提供を推進する観点」と謳っているが、施設基準は看護職員に精神保健福祉士・作業療法士・公認心理士を含めて13対1、15対1のカウントをしているため、後述の急性期一般入院料 看護・多職種協働加算同様に看護配置基準の緩和が本命であろう。
急性期一般入院料 看護・多職種協働加算では公認心理士・社会福祉士の記載はないが、本加算が一つの実験場になる。

■精神科地域密着多機能体制加算
精神科地域包括ケア病棟入院料を廃止(経過措置あり)。1・2においては、施設基準で精神保健福祉士が必置。3は「精神保健福祉士、作業療法士又は公認心理師が合計●●名以上配置されていること。」という記載。
■精神科リエゾンチーム加算
対象が、認知症又はせん妄の場合であったが、それ以外の精神疾患にも対象拡大して点数として「2」を創設。また、「2」について、週2回以上のリエゾンチームの診療について複数回診療加算を創設。精神科リエゾンチームの活躍が広がるか。
■精神保健福祉士の病棟の専従要件の見直し
これは、論点の整理のポストで私は「病棟をまたいで継続支援できる仕組み」と書いたが読み込み間違い。より範囲は広く、病棟専従であっても別病棟以外に、病棟外での当該病棟の患者の支援も認められる。これは、身体科病院においても、精神保健福祉士同様に年齢を問わず様々な患者の退院を見越した生活支援(身寄りのない患者宅へ貴重品を取りに訪問する、手続きのため行政へ同行するなど)を行う社会福祉士にも是非認めて欲しい内容である。本要件見直しを導いた精神保健福祉士協会の調査研究活動は流石。クリニックや外来勤務の精神保健福祉士による支援への診療報酬評価「精神科継続外来支援・指導料」についで、病棟勤務の精神保健福祉士の活躍を期待したい。SNSでは病棟勤務の精神保健福祉士の減少を嘆く声も多いが、マクロではそれほど減少はしていない。MSW同様、必ずしも地域と顔の見える連携ではなく病棟での業務で完結してしまっている人が増えているのかもしれない。
出典:第622回中医協総会
精神保健福祉士が院内のさまざまな入院基本料で専従要件となっており、治療経過に応じて転棟した際、担当が変わってしまうことが患者・家族にとって望ましくないとのP協会の研究成果を踏まえ、病棟をまたいで継続支援できる仕組みへ。P協会さすが。
— 樋渡貴晴 (@hiwatashi_msw) 2026年1月10日
第633回中医協総会https://t.co/LELpeGaXls pic.twitter.com/7m1JCDpLke
■入退院支援加算
まずは、地メディ・地ケア・回復期入院料向けの入退院支援加算の創設。一般病床は基本的に転院が多くなる(無論、医療機器を付けたままの濃厚な自宅退院支援もある)が、それ以外の病棟では治療やリハビリを終え、具体的に自宅や施設へと退院支援するため当然手間がかかる。それを評価してくれるのはありがたい。地パスの検査・画像情報提供は通常行っていることなので点数が付くことはありがたい。
病棟配置の看護師確保にどこの病院も苦労している。入退院支援加算の看護師配置要件を廃止することを強く望む。
朝日新聞記事対応として、施設基準において、「入退院支援を行うにあたり、保険医療機関から退院先となる介護保険施設等への誘導を行うことによって、当該介護保険施設等から金品を収受し、誘引その他の財産上の利益を収受していないことを施設基準に規定」される。当然のことだが、わざわざ追記したということは全国でみればありうるのか。大病院の場合、入退院支援加算だけで1億規模の入院収益となるため、施設基準違反となれば病院経営に大きな影響を与える。退院支援に関わる、入退院支援部門の社会福祉士・看護師や病棟の医師・看護師は十分に気を付けること。
関連して、今回の診療報酬改定で「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」が改正され(p327)、「特定の主治の医師及び特定の事業者等への誘導の禁止」及び「経済上の利益の提供による誘引や誘導の禁止」について義務付けられる。判明すれば指定取り消し・診療報酬の返還にあたる。警告と理解すべき。
なお、医薬品や医療機器の購入にまつわる「金品の収受、誘引その他の財産上の利益の収受」についてはお咎めがないことと整合性のなさに違和感は甚だ残る。
退院困難な要因の、「ウ」に「又は現に認定を受けていているが、認定を受けている要介護状態区分若しくは要支援状態区分以外の区分に該当する疑いがあるが変更の申請がされていないこと」を追記。また、「タ 患者の意思決定支援及び退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族及び親族との連絡が困難であること 」が新設。各病院の電カルのスクリーニングシートまたは様式の修正を。
今回注目しているのが、面会規定。面会が増えれば患者・家族から色々尋ねられることが増え、病棟の業務が止まってしまうことから、コロナが5類になった今でも感染症対策を理由にどこの病院も面会制限を厳しくしたままになっている。一方、有料老人ホームは面会制限がないところが多い。入院基本料等の通則に載ったのであれば、わざわざ入退院支援加算の施設基準に規定するのはトートロジーではないかと思う。「入院中の患者とその家族等との面会は、患者の療養生活の質の向上及び尊厳の保持に資する」という大変重要な一文は、本来入院通則に記すべき内容であろう。

憂鬱な入退院支援関連。入院時支援加算を届け出している病院とそれ以外で前者の方が平均在院日数が短かったことを受けて入院時支援加算の評価や要件を見直すと。予定入院が多ければ早く帰れるよね。パスが充実しているとも言える。点数を更に上げつつ(評価)、そろそろ1・2の一本化(要件)がなるか。 pic.twitter.com/mAaBjnQND0
— 樋渡貴晴 (@hiwatashi_msw) 2026年1月11日
■急性期一般入院料 看護・多職種協働加算
今改定の目玉の1つ。急性期一般入院料1(7:1看護)において、病棟に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・臨床検査技師のいずれかを配置すれば、看護師の配置が7:1でなくても良いという施設基準。人口減少時代にこれまでの看護配置基準と異なる基準の先駆けとなりそう。
「看護職員を含む多職種が協働して専門的な観点から適時かつ適切に専門的な指導及び診療の補助を行う体制を整備」とされているところが重要であり、看護業務の療養上の世話は含まれていない。なお、診療の補助の概念図は以下が分かりやすい。
第3回 医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会 令和元年11月20日
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000568229.pdf
ちなみに、療養上の世話の定義は、以下の通り。
療養上の世話は、療養中の患者に対して、病状の観察をしながら食事や排泄、更衣、清潔の保持、移動、活動と休息、環境整備などの日常生活に対する援助
出典:日本看護科学学会
つまり、今回の加算で看護師以外の専門職が、代わりに療養上の世話をするということではない点が重要である。
「(7) 当該病棟において各医療職種が専門性に基づいて業務を行う体制が整備されていること。」とあるが、専門性を発揮しすぎると、単に病棟看護師が減るだけにもなってしまう。
療養上の世話でもなく、専門性に基づいた業務だけを行うのでもない。両者の間でどのようにバランスがとれるのか。また各職種の部門長は自分の部下が専門職として専門性を発揮できるよう、看護部と綿密な打ち合わせが必要。精神科同様、退院支援業務として社会福祉士もここの職種に加わるかは今後の経過次第。
■回復期リハビリテーション病棟入院料
「入院料1を届け出ている病棟を対象に、実績指数、排尿自立支援加算の届出及び退院前訪問指導の実施割合等を要件とする回復期リハビリテーション強化体制加算を新設する。 」とされ、基本料に包括されていた退院前訪問指導料が出来高算定に(但し、入院時訪問指導加算と併算定不可)。本指導料を含め他の要件もクリアした場合に、新たに体制強化加算を算定可能となる。しかし、ここまできて肝心の退院前訪問指導料の実績要件は「ハ 退院前訪問指導について、十分な実績を有していること。」とほんわかした書きぶりに。あとから数が追加される?
■回復期リハビリテーション病棟における高次脳機能障害者に対する退院支援の推進
回復期リハビリテーション病棟入院料1から5、回復期リハビリテーション入院医療管理料および特定機能病院リハビリテーション病棟入院料のすべてが対象。障害者総合支援制度との連携が求められるが、障害支援区分の認定が自治体によって認定審査会の頻度が少なく、退院までに区分認定が下りず、介護保険の様にスムーズに利用できない問題が残ったままの見切り発車となっている。利用実績が求められる訳ではないので算定上問題ないが、実際の支援においては何ら改善しないことがもどかしい。


■療養病棟 医療区分
悪性腫瘍以外の一定の要件を満たす慢性呼吸器疾患、末期心不全、末期腎不全患者への医療用麻薬の投与による疼痛コントロールが必要な場合を医療区分3に追加。


療養病棟入院基本料2の施設基準で医療区分2・3患者割合を現行の5割から6割とする件は中医協協議の段階から診療側も認めており既定路線だった。経過措置付き。

■包括期充実体制加算
入退院支援加算1を算定している地域包括医療病棟および地域包括ケア病棟(いずれもる急性期病院一般入院料及び急性期一般入院基本料を算定する病棟を有しない病院)かつにおいて、在宅医療や介護保険施設からの入院を後方支援として行うに十分な体制と実績を有する場合の加算として新設。注目の加算であるが、果たして何点がつくのか。金額が多くなければそこまで食いつくこともないかもしれない。施設基準がほんわかしているが、今後もう少し具体的になるのか。



■協力対象施設入所者入院加算
協力対象施設入所者入院加算については、大幅に施設基準が緩和される。第1に「入院受入れを行う保険医療機関に所属する保険医がICTを活用して当該患者の診療情報及び病状急変時の対応方針を常に確認可能な体制を有している場合」、「当該入所者の診療情報及び急変時の対応方針等の共有を図るため、年3回以上の頻度でカンファレンスを実施していること」とされていたが、これを年1回でよいと。
第2に、第1のようにICTを活用していない場合は、「1月に1回以上の頻度でカンファレンスを実施」とされていたが、これを「年に3回以上の頻度でカンファレンスを実施していること。」に緩和。加えて、「ただし、当該介護保険施設等において入院の必要性が認められた入所者の入院を、年に2件以上受け入れた場合には、カンファレンスの実施は年に1回以上の頻度であれば良いこととする。」と大盤振る舞い。
最後に、「(2)のアの(ロ)及び(2)のイに規定するカンファレンスは、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。また、当該カンファレンスが別添3の第26の5の1の(4)に規定する入退院支援加算1における連携機関とのカンファレンスを兼ねることは差し支えない。」とも書かれているので、特別にカンファレンスしなくても、普段連携している介護保険施設の場合は、兼ねても良いことに。凄い楽になりますね。ソーシャルワーカー部門でしっかりとリードできれば良いと思います。




ちなみに、「別添3の第26の5の1の(4)に規定する入退院支援加算1における連携機関とのカンファレンス」とは、以下の通り。

概要図はこちら。

■地域包括ケア病棟における初期加算等の 評価の見直し
在宅患者支援病床初期加算の「救急搬送された患者又は他の保険医療機関で区分番号C004-2に掲げる救急患者連携搬送料を算定し当該他の保険医療機関から搬送された患者」縛りを緩和し「緊急入院した患者」に。これは結構算定対象が広がるので助かる。さらに、「それ以外の患者に対する初期加算を急性期患者支援病床初期加算を参考に見直す」とある。素直に読めば、受け入れ側医療機関の許可病床数が400床以上と未満で点数を2段階に分けることを意味する。正式には告示・通知公表を待つ。
「B005退院時共同指導料2及びB005-1-2介護支援等連携指導料について、包括範囲から除外する。」は予想通りとなった。地ケア病棟入院料1の施設基準である在宅医療の提供実績の要件候補の1つである退院時協働指導料2のカウントができるようになったので、実績クリアが楽に。これによって在宅医療等の実績要件が上がる!?告示・通知公表時に注目。



③は「軽微な発熱や下痢等の症状をきたしたために入院医療を要する状態」からどう対象となる患者の範囲を広げるのか注目。退院支援関連では、介護支援等連携指導料、退院時協働指導料2が包括から出来高になる!?
— 樋渡貴晴 (@hiwatashi_msw) 2026年1月11日
なお、在宅医療等の実績を上げた令和4年度診療報酬改定では、同年9月末までの経過措置があった。これが踏襲されるか注目。

■地域包括ケア病棟 リハビリテーション・栄養・口腔連携加算
人員の余裕と地ケア病棟に相当の入院予定があるなら増収が見込める。逆に両方を満たさなければ見送りの加算。

詳細は、2月下旬~3月上旬の告示・通知で確認となります。また、中医協で揉んで多少修正が加わるかどうか。
■救急患者連携搬送料の見直し
・入院前に搬送を行う場合の評価を引き上げる
・自院等の救急自動車以外を活用して搬送する場合についても評価の対象とする
→医師、看護師又は救急救命士が同乗しない、「その他の場合」を新設
・搬送先医療機関において入院医療を行うことについての評価を新設
・医師、看護師又は救急救命士が同乗して長時間(30分以上)搬送を行う場合の評価を新設
〇コメント
かなり大幅に変更が行われている。
医師、看護師又は救急救命士が同乗しない、救急患者連携搬送料1のロ「その他の場合」であるが、これはGemMedの記事にあった通り、1つ目は民間事業者を活用した転院搬送(民間の救急搬送)を想定したものと考える。金額設定にもよるが、民間事業者の搬送料を、本搬送料で病院が支払うのか、患者家族に別途支払わせるのかは不明。疑義解釈が必要となるであろう。報酬の金額がそこそこ大きければ、民間事業者の搬送料を患者・家族に支払わせた場合、二重取りの批判を受ける可能性がある。2つ目は搬送先の医療機関が救急患者連携搬送料2のイを算定して患者を迎えに来た場合を想定したものと考える。
民間事業者の費用を患者家族に支払わせるかは、急性期病院側では回避した分、手術などが必要な中重度の患者用のベッドを確保してより入院1日当たりの診療報酬増を見込むか。
搬送先医療機関において入院医療を行うことについての評価は、中医協で診療側が提案した通り、入院を受入れる側の医療機関の医師・看護師・救命救急士が自院の救急車両(こちらは民間事業者による搬送を想定する文言がない)で迎えに行く場合の評価を「救急患者連携搬送料2」のイとして新設。併せて、救急患者連携搬送料1で紹介され、自院の医師・看護師・救命救急士が救急車両で迎えに行かず入院を受入れた場合を想定して、「救急患者連携搬送料2」のロを新設。こちらは、受け入れが地ケア病棟の場合、在宅患者支援病床初期加算との併給は可能か、要フォロー。




■訪問看護基本療養費等
営利に走りすぎた一部訪問看護ステーション・高齢者住宅に対する対策(その1)
訪問看護基本療養費等の算定要件に「標準の時間を下回る指定訪問看護の実施が、同一日に、同一の利用者に複数回又は複数の利用者に行われるなど、頻繁に行われている場合には、指定訪問看護を実施したとは認められない」が新設。30分未満の定型的・画一的な訪問看護を算定対象外に。

■指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準の見直し
営利に走りすぎた一部訪問看護ステーション・高齢者住宅に対する対策(その2)
「特定の主治の医師及び特定の事業者等への誘導の禁止」及び「経済上の利益の提供による誘引や誘導の禁止」について義務付けると。
12年前、高齢者施設の入居者への訪問診療を行うため、医療機関側が施設に対してキックバックを支払う社会問題が発生した際、療担規則の改正でこれが禁止されたことの、訪問看護版になります。

■保険医療機関及び保険医療養担当規則の見直し
営利に走りすぎた一部訪問看護ステーション・高齢者住宅に対する対策(その3)
先述の通り、医療機関側が高齢者住宅に対して患者を紹介してもらった見返りとしてキックバックを禁止したことに加えて、反対に高齢者住宅や訪問看護等から医療機関がキックバックをもらうことも禁止する旨療担規則を改正。これらにより、双方を規制。

■訪問看護管理療養費の見直し
営利に走りすぎた一部訪問看護ステーション・高齢者住宅に対する対策(その4)
1月当たりの訪問日数及び単一建物に居住する利用者数によって評価を細分化。

■同一建物に居住する利用者への訪問看護の評価の見直し
営利に走りすぎた一部訪問看護ステーション・高齢者住宅に対する対策(その5)
同一日に同一建物居住者である利用者に対して、訪問看護サービスを提供した場合に算定する訪問看護基本療養費(Ⅱ)について、批判の多かった短時間で複数回訪問をして稼ぐ事業者のハックを阻止。

■包括型訪問看護療養費の新設
営利に走りすぎた一部訪問看護ステーション・高齢者住宅に対する対策(その6)
高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションからの訪問看護について包括支払い制度を新設。わざわざ当該住まいに居住する利用者の定義を「特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等の者、同別表第8に掲げる者に該当する利用者又は特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者に限る。」としている点がにくい。
無論、真摯に対応している高齢者住宅・訪問看護ステーションもあるため診療報酬は採算がとれる程度には設定するはず。

これら6つの対策により、この10年近く社交場でお見かけした煌びやかなお召し物を纏った訪問看護ステーション管理者ないしばグループ経営者にお会いすることは減るであろうか。障害者分野の業者同様、制度の裏をかくビジネスモデルなので、厳しくなれば次の狩場に移るだけではある。制度改定まで積極的に利益を得るという点では淡々としている。その真似をしていた事業者は次に移行できず潰れていくであろう。これだけ社会問題になったにもかかわらず、日本看護協会や全国訪問看護事業協会は一切、公式見解を示すことはない。有料老人ホームからの金銭授受問題で会員かどうかも分からないMSWが新聞記事に出たことで、実態調査や会長コメントをした日本医療ソーシャルワーカー協会は誠実なのか、またはまだまだ大人の団体になりきれていないのか。
我々MSWとしては、今回の一連の改正により真面目にケアに当たっていた高齢者住宅と異常なほどに入居費用を低く抑えていた高齢者住宅を見極めて患者・家族に紹介する必要がある。ただし、根本にあるのは介護保険施設以外の高齢者住宅は「負担限度額認定(食費・居住費の軽減制度)」がなく、低所得者が入居する選択肢にならないといった費用の問題。また、化学療法や高額な治療の外来へのシフトによりそのことと包括報酬の病院や介護保険施設との相性の悪さといった制度の問題があり、この2点の合わさるところに高齢者住宅ビジネスのニーズがあった。営利に走りすぎた一部訪問看護ステーション・高齢者住宅が多少いなくなったとしても、このニーズ自体は残ったままなので、治療をあきらめて包括点数の病院・施設に入るか、家族が無理をして自宅で見続けるしか方法がないことを意味している。この点は重要な社会問題である。
■看護補助者に係る加算の名称の見直し
看護補助体制充実加算は、看護補助・患者ケア体制充実加算に名称変更。介護分野の様に徐々にではあるが、看護師との独立性が制度上出てきた。

■障害者施設等入院基本料における看護補助者に係る加算の見直し
看護補助加算及び看護補助・患者ケア体制充実加算(旧看護補助体制充実加算)について、障害者施設等入院基本料では、これまで入院30日以内しか算定できなかった。それを、障害者施設等入院基本料2(10:1)以上の場合は、点数は下がるものの31日以降も算定可能に。看護補助・患者ケア体制充実加算1について、仮にロの半額の75点であっても、50床計算で50床×75点×30日=112万5千円。施設基準を満たすために人件費が増えてもそれを上回る収入。


■ICT等の活用による看護業務効率化の推進
見守り機器・看護記録・インカムの3点セットが揃っていれば、看護職員に対する看護師の比率等について、1割以内の減少でも入院基本料等の基準を満たすことにすると。既に、令和6年度介護報酬改定で特定施設入居者生活介護(24時間体制で介護サービスや生活支援を提供する形態の有料老人ホーム、ケアハウス、サ高住、養護老人ホーム)に認められた施設基準要件を、他の介護保険施設よりも先行して、いきなり病院本体に適応!!逆に言えば、次回介護報酬改定や障害福祉サービス改定時には入所系施設で全展開される可能性が高い。但し、何故か地ケア、療養、障害は対象外。






■全体を通して
印象として、入退院ルールの策定や介護保険施設等との協力関係の締結の上での定期的なカンファレンスのように、従来の個別ケースの評価に加えて、仕組み化されていることに評価がされる様になってきているという印象を持ちます。ソーシャルワーカー部門は新しい業務指針にもある通り、「組織内活動に係る業務」と「地域・社会活動に係る業務」として、個別支援のみならず、メゾレベルで院内と地域を結ぶ業務に病院の顔として活動することに取り組んで欲しいと思います。





























