研修運営に関する覚書(1.研修運営体制)

先日、全国の都道府県MSW協会の研修担当者がZoomで集まり、各協会の研修運営について情報交換を行いました。その中で、私自身が約5年間研修部門の責任者を担当して、取り組んだこと、考えたことについて書きとどめておこうと思いました。

1.研修運営体制

組織の規模にもよりますが、基本的に以下の3パターンかと思います。
(1)理事が直接研修運営に携わる
(2)理事以外の協力委員が研修運営に携わる
(3)(1)と(2)のミックス

(1)の強みは、理事会が実践上あるいは社会情勢上取り上げたいテーマと講師を直接調整できるので意思決定が速いです。しかし、実際に運営に携わっている理事の方はご承知の通り、最初の頃は勢いがあるので良いですが数年経ってくるとネタが尽きたり、運営がしんどくなってくる場合があります。

一方、(2)の強みは、研修をやりたいと思う複数の委員がいること開催できる研修が全体として増えます。私の所属する協会もそうですが、テーマごとに研修委員会が分かれていると更に組織立って研修提供体制が作れるので、研修事業という協会にとって重要な活動を層厚く展開することが可能になります。とはいえ、関わる人が増えればともすると活動がバラバラになってしまいます。皆が好き勝手やっている状態ですね。これは組織としては避けなければいけません。ミッションや目標の設定・ルールやスケジュール調整・帳票・運用マニュアル・研修機材の整備など、おのずとマネジメントが必要になります。

組織として長期的にみると、(2)による研修運営を基本にしつつ、その時々のホットなテーマに合わせた(1)による研修運営を付加することが研修運営を長続きさせるポイントなのではないかと思います。

ルールやスケジュール調整・帳票・運用マニュアル・研修機材の整備で言えば、私の所属する団体では、以下の通り取り組んでいます。

(1)研修部の設置と専属の理事を5人配置(1人は部長級の常任理事)
(2)クローズドの運用マニュアルを記載したホームページやオンラインドキュメントの作成
(3)最新版帳票類の整備と(2)に常時ダウンロードできるよう保存
(4)オンライン研修運用マニュアルの整備とクラウド保存
(5)オンライン決済システム(Peatix)の活用
(6)研修機材(ヘッドセット、パソコン、Zoom契約、)の整備

(1)は、研修の実施主体になることを禁欲的にやらず、7つある研修委員会をそれぞれ担当し、研修運営の支援と評価、理事会とのパイプ役を担っています。研修部でも色々とやりたい研修は沢山あるのですが、ここはぐっと耐えてマネジメントに徹するようにしています。とはいえ、研修をやったこともない理事が現場感覚もなく各研修委員会をマネジメントするとそれは末恐ろしいことになります。そのため、年に1回は研修部企画の研修を開催し、また各研修委員会開催当日の運営の支援に当たることで現場感覚を養うようにしています。
(2)は、Googleサイトを利用してポータルサイトのように活用しています。迷ったら研修部サイトを確認する。検索窓があるので、検索していち早く該当ページを見つけてもらうことが鍵です。
(3)は、どのファイルが最新化問題が常に付きまとうため、それを防止するために取り組んだことでした。職場にポータルサイトがあると同じような機能があるのでイメージが付きやすいかもしれません。

(4)オンライン研修運用マニュアルの整備とクラウド保存により、研修委員会と共有することで、常に最新版を確認することができるのも強みだと思います。特任オンラインに使用するソフトや撮影機材は日進月歩なのでマニュアル改訂の頻度が高いです。実物のファイルを修正の都度メールに添付して送っていたら、受け取った相手はうんざりしていることでしょう。

マニュアルは作って終わりではなく、解説をしながらも実地を通してイメージを持ってもらったり、手直しが必要であれば修正・追記しなければいけません。永遠に修正が必要です。

(5)については、オンライン研修が主体となる中で有料研修の受講費受け取りで重要な役割を果たすため別途詳細を記載します。

とりあえず、今日は研修運営体制でした。