マニュアル作成時の注意点

以下、畑村洋太郎講談社現代新書1870 組織を強くする技術の伝え方』講談社,2006.12,pp55-56より引用。マニュアル作成時の参考に。 参考文献 ・近藤克則ほか編『当直医マニュアル2006~2007(第10版)』2006.1 ・近藤克則ほか編『臨床医マニュアル(第3版)』2004.7 ・近藤克則ほか編『プライマリケアマニュアル(第5版)』2003.3


マニュアルというのは、最初は誰もが使いやすいように、シンプルで薄いものであることが多いのですが、まわりの条件の変化などで追加される要求にすべて応えているうちに次第に分厚くなる"宿命"にあります。 ですから意識して定期的に見直さないと、すぐに固定化して実態に合わないものがそのまま居座ってしまうのがマニュアルの特徴です。その結果、マニュアル自体が諸悪の根源になってしまうことさえあるのです。 (中略) どんどん中身が増えて膨大な厚さになったマニュアルは、中に書かれている事柄の関連が複雑になり、読んでもよくわからないものになっています。そのようなものは現場でも使えないし、教育用の手本にもなりません。これではマニュアルが存在する意味がなくなってしまうので、全部を定期的に見直し、新たに内容を加えるときには加える量に相当する古い内容を捨てるといったことを行う必要があるのです。