鶴舞散歩(08.2.16)

・坂田隆文「医療経営における『トヨタ方式』の可能性-医療経営研究会報告書-」『医療と社会』vol.17,№3,2007,pp.271-283 種類:質的研究 ※著者は、医療科学研究所医療経営研究会メンバー。中京大学総合政策学部准教授トヨタ生産方式(TPS:Toyota Production System)を導入している医療機関として、刈谷豊田総合病院を事例対象に取り上げている。なお、著者も述べているが当該医療機関において、「トヨタ方式」という用語が用いられているわけではない。ムダ(患者側と医療従事者側の満足度を高めない行為)の多いSW実践を改善する上で、大いに参考となる。「成り行き任せ」(p274)という言葉は、まさに今の私のSW実践に当てはまる教訓的な言葉であろう。 ・「特集 初めてケアマネジャーになる人へ 伝えたい!相談援助(ソーシャルワーク)の魅力」『月刊ケアマネジメント』2008.2,pp13-29 ※全体的に面白い構成となっている。関係者一同に、お薦めの特集である。 →國光登志子「ケアマネジメントのコツをタイプ別に知ろう」pp.14-17 種類:エッセイ ※「表1 タイプ別ケアマネの長所・短所」が面白い。言いなりタイプ、押し付けタイプ、孤軍奮闘タイプ。思わずうなってしまった。 →佐藤ちよみ「対人援助職として自信をつけるには」pp.18-20 種類:エッセイ ※TA理論(交流分析)を交えて紹介。 →白澤政和「サービスコーディネートからソーシャルワークへ」pp.21-23 種類:エッセイ ※ケアマネジメントの仕事内容(3つのモデル)。ミニマムモデル/コーディネーション・モデル/包括的モデルについて紹介。 →保正友子「成長とキャリアアップのきっかけは人それぞれ-先輩ソーシャルワーカーに学ぶ」pp.24-27 種類:エッセイ ※大学院の先輩。「表1 ソーシャルワーカーの行動特性別タイプ」が興味深い。 →宮本義信「米国事情 進むデュアルライセンス化 複数の資格でパワーアップ」pp.28-29 種類:エッセイ ※アメリカにおける「表1 ソーシャルワーカーと隣接の対人援助職-就労総数と年俸平均(2006)」が興味深い。表によると、医療・公衆衛生ソーシャルワーカーと正看護師の年俸平均は、1.3倍である。もちろん正看護師($43,040vs$57,280)の方が高い。また、医療・公衆衛生ソーシャルワーカーアメリカにおける就労総数は、124,000人であった(実数か常勤換算数かは不明)。基データの最新版はコチラ労働省HP内)。こんな本があるとは知らんかったよ。 ・口村淳「短期入所生活介護におけるソーシャルワーク-サービス特性に起因する諸課題をめぐって-」『ソーシャルワーク研究』vol.33,№4,2008,pp.62-69 種類:総論 ※著者は、特別養護老人ホーム淡海荘所属。現場の職員でありながら、これだけの先行研究収集能力を有するとは流石である。 ・塚本弥生「医療ソーシャルワークの働きを検証する⑳ HIV/AIDSとソーシャルワーク 地域連携によるチーム医療」『病院』67巻1号,2008,pp.66-70 種類:実践報告 ※著者は、広島市立広島市民病院総合相談室に所属するSW。 ・大和三重「我が師を語る 連載16 恩師荒川義子先生を偲んで」『ソーシャルワーク研究』vol.33,№4,2008,pp.70-73 種類:エッセイ ※著者は、関西学院大学社会学部准教授。 ・松岡暖奈「患者・家族を支援するということ-医療ソーシャルワーカーの視点から-」『緩和ケア』vol.18,№1,2008,pp.19-23 種類:症例報告 ※著者は、国立病院機構大阪医療センター所属。 ・岩永量子「第8章 社会福祉への理解を含めるために~参考となる映画やマンガ~」『演習で学ぶ社会福祉の基礎と保健・医療とのネットワーク』kumi,2007.10,pp.108-122 種類:解説 ※著者は、茅ヶ崎リハビリテーション専門学校社会福祉専攻科専任教員。よく調べられている。「3 『ドラゴン桜』から学ぶソーシャルワーク」というレポート課題は、斬新である。