研究者紹介:岩間伸之先生

近隣で働くMSW30-40名と取り組んでいる「臨床ソーシャルワーク研究会」で、スーパーバイザー付きの事例検討会を行いたいと思い、何か良い参考書はないかと探していたら、同氏の『援助を深める事例研究の方法-対人援助のためのケースカンファレンス-・第2版)』が目にとまった。 最近、大阪や沖縄で岩間氏をバイザーとして事例検討会が精力的に開催されているのをみて気になっていたが、その理由が本書を読んでようやく理解できた。 抽象的になり過ぎず、実際の事例検討会の「段取り」について詳細に書かれており、これから事例検討会を始めてみようと思っている人にはうってつけの本だと思う。具体的には、第3章は圧巻で、事例検討会のプロセスを①開会、②事例の提示、③事例の共有化、④論点の明確化、⑤論点の検討、⑥まとめ、⑦閉会の7プロセスに分け、全40ポイントについて、実際のシナリオを交えて解説してくれていて、具体的なイメージが湧くこと間違いなしである。また、第4章では報告用資料のひな形や書き方の解説が載っており、実際に報告する予定の人が読むと大変助かる(実際私もこの章を読んで事例を作った)。 さらに、同著のエッセンスを盛り込んだDVDが横浜市から発売されているとのこと。 また、今年は2冊の書籍を発表された様である。 ・岩間伸之『対人援助のための相談面接技術-逐語で学ぶ21の技法-中央法規出版2008 は、大変興味深いので早速注文した次第だ。


岩間伸之(いわま のぶゆき) 1965年生まれ 大阪市立大学生活科学部人間福祉学科准教授 大学HP教員紹介サイト (略歴) 同志社大学大学院文学研究科社会福祉学専攻博士課程後期修了。 社会福祉士。博士(社会福祉学) (研究テーマ/Research theme) ・ジェネラリスト・ソーシャルワークの体系 ・ソーシャルワークの固有性 ・ソーシャルワークと権利擁護 (業績) ・岩間伸之『対人援助のための相談面接技術-逐語で学ぶ21の技法-中央法規出版2008 ・岩間伸之『支援困難事例へのアプローチ』メディカルレビュー社,2008 ・岩間伸之『援助を深める事例研究の方法-対人援助のためのケースカンファレンス-・第2版)ミネルヴァ書房,2005 ・岩間伸之監修/横浜市福祉局企画・制作・著作『対人援助のための合同ケースカンファレンスの方法(DVD)』2005 ・L.C.ジョンソン・S.J.ヤンカ(著)山辺朗子・岩間伸之(共訳)『ジェネラリスト・ソーシャルワークミネルヴァ書房,2004 ・黒木保博・横山穰・水野良也・岩間伸之『グループワークの専門技術-対人援助のための77の方法-中央法規出版,2001 ・岩間伸之『ソーシャルワークにおける媒介実践論研究中央法規出版,2000