「終末期医療で5団体からヒアリング―厚労省懇談会」『CBニュース』2008.12.15

興味深いコメント。なお、本懇親会にはゲストではなく委員として、田村里子氏(東札幌病院MSW課長)が参加している。 >終末期相談支援料について、「名前を変えて、もう一度組み立て直す必要が >ある。ソーシャルワーカーも含めて相談料というのが診療報酬の中で認めら>れることが必要だと思う」と述べた。


「終末期医療で5団体からヒアリング―厚労省懇談会」『CBニュース』2008.12.15 厚生労働省の「第2回終末期医療のあり方に関する懇談会」(座長=町野朔・上智大大学院法学研究科教授)が12月15日に開かれ、日本ALS協会や日本尊厳死協会、日本歯科医師会など5団体からヒアリングを行った。ヒアリング後の意見交換の中で、日本尊厳死協会の井形昭弘理事長が尊厳死の法制化に賛成の考えを示したのに対し、委員からは反対の声が上がり、慎重な議論を求める意見が多数を占めた。 【関連記事】 「終末期医療のあり方に関する懇談会」が初会合 最期まで自宅療養は「実現困難」6割強―厚労省調査 新宿発、尊厳を守る在宅ケアとは 脳血管疾患の終末期「自宅は1割」 終末期医療の在り方に高齢者の疑問続出  ヒアリングでは、出席した日本ALS協会の橋本操会長のコメントを、話すことができない本人の代読者が紹介。その後、同協会の代理人が、患者が本音で語る環境づくりの大切さを繰り返し訴えた。  日本尊厳死協会の井形理事長は、尊厳死の法制化に賛意を示し、リビングウィルの重要性を強調。また、「諸外国でほぼ社会的に定着している尊厳死が、なぜ日本で認められないのか。非常に残念な思いをしている」と述べ、反対意見は「ほとんどが誤解に基づくものだ」と訴えた。  日本ホスピス・在宅ケア研究会理事で、NPO法人特定非営利活動法人)「千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア」の藤田敦子代表は、「病院内部はもとより、地域との連携も十分に行われておらず、患者主体のマネジメント機能もほとんど動いていない」と指摘した。  日本歯科医師会の池主憲夫常務理事は、歯科医師の立場から終末医療と口腔ケアの関連性を説明。「人間が生きることと食べることには深い関係がある」と強調し、終末期における歯科の役割として、口腔に起因する疼痛の緩和や、摂食機能の維持と栄養状態の改善などを指摘した。この中で、義歯を装着した高齢者の表情に笑顔が戻った写真を示し、顔貌やコミュニケーション維持の重要性について述べた。  日本薬剤師会の土屋文人副会長は、終末期のがん患者への薬剤師の役割の変化を指摘。緩和医療のチーム対応や外来化学療法の普及といった医療環境の変化や、薬剤師の業務の多様化など、その背景について説明した。その上で、医師への助言や、患者やその家族などへの服薬指導など、チーム医療の推進が必要だと述べた。  ヒアリング後の意見交換で、中山康子委員(NPO法人在宅緩和ケア支援センター虹代表理事)は、現在凍結されている終末期相談支援料について、「名前を変えて、もう一度組み立て直す必要がある。ソーシャルワーカーも含めて相談料というのが診療報酬の中で認められることが必要だと思う」と述べた。  この日の懇談会では、厚労省が前回示した終末期医療に関する意識調査の結果を解析する「ワーキングチーム」の設置が承認され、池上直己委員(慶大医学部医療政策管理学教授)や伊藤たてお委員(日本難病・疾病団体協議会代表)ら6人がメンバーに決まった。ワーキングチームは数回の会議の後、来年1月をめどに調査結果の解析(案)を提示する方針。