こなれたソーシャルワーカーにならないために

病院に戻ってきて3週間。今の気持ちを忘れてしまわないために、以下記録しておく。 高齢者だけを対象とした老健におけるソーシャルワーク業務から離れ、現在子どもから高齢者まで援助対象が格段に広くなった。そして介護分野から医療分野へと業務を行う分野が変化した。それにより使用する社会資源や、クライエントのライフサイクルの段階、疾病・障害の状態変化の違いに戸惑うこともあるが、経験を積むことでそういった気持もやがて落ち着くものと思う。 そういった中で私が危惧しているのは、自分がこなれたソーシャルワーカーになってしまうことである。では、こなれたソーシャルワーカーとはどういう臨床像か。以下、関東学院大学の秋山薊二先生の言葉を借りて説明する。 こなれたソーシャルワーカーとは、「色々な事を良く分かっている様な態度で、この様な場合はこの様にすれば良いと断定し、その理由を説明すれば済む、というようなことがあります。科学的にどのように証明されているかには全く関係ない」(秋山2008:p68)と思考し行動するソーシャルワーカーのことである。 この文章を数年後、私が再び読み返した時に「ぎくり」としていないことを願う。 【引用文献】 秋山薊二ほか「エビデンスに基づくソーシャルワーク実践の科学化」『社会福祉実践理論研究』第17号,2008,pp.57-77