「【入院 入所の裏ワザ】(1)老人保健施設の薬代」『産経ニュース』2009.6.5

北海道の特別養護老人ホーム緑風園の施設長が運営している「介護・福祉情報掲示板」で話題に上がっています。 以下、産経ニュースHPより転載。
病院でソーシャルワーカーをしながら、個別に転院や退院相談にも乗っています。感じるのは、患者さんが知っていたら、スムーズに行くことが結構あるということです。

 ある日、事務所に高齢の女性が相談にやってきました。「夫の介護老人保健施設老健)入所を断られた」と言います。

 夫(78)は認知症で要介護。2人暮らしで、奥さんは介護に疲れていました。ケアマネジャーから「ご主人に老健に入ってもらい、奥さんは骨休めしたら」という話が出ました。

 しかし、老健では「内服が多いから難しい」と断られたといいます。奥さんは「なぜアリセプトを飲んでいると入れないの?」と、腑に落ちない様子です。ご主人が認知症進行の予防薬、アリセプトを飲んでいたためと思われました。

 老健では、入所者に一般的な医療サービスも提供します。このため、入所者にかかる治療代や薬代は原則として施設持ち。この患者さんの場合、アリセプト代は施設持ちになります。だから、高い薬を使う患者さんは敬遠されがちです。

 そこで、奥さんに薬を持参するようアドバイスしました。かかりつけ医に1カ月分を処方してもらい、老健に持参するのです。これなら、老健に薬代はかかりません。「薬は持参します」。奥さんが言うと、即座に入所が決まったそうです。

(談・サンユウ退院支援センター 山田理史 http://sanyumsc.com/