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武内和久氏は、現在厚生労働省大臣官房勤務。1971年産まれの30代。 在英国日本国大使館一等書記官として英国に滞在中、2006年5月から2008年1月の間、全16回に渡り、法研でウェブ連載「英国社会保障事情」を執筆していた。


武内和久・竹之下 泰志『公平・無料・国営を貫く英国の医療改革』集英社,2009.7 ○内容 無料で公平な医療を全国民に―この理想を掲げて一九四八年、英国の医療システム(NHS)は誕生した。以来英国民はこの制度を誇りにしてきたが、九〇年代には患者の手術待ちが数カ月に及ぶなど、種々の問題が表面化して崩壊の危機に陥った。この事態に果敢に立ち向かい、二〇〇一年から一〇年計画で劇的な改革へと導いたのがブレア以降の労働党政権である。効率化と患者中心の医療の実現など、英国の医療改革の全貌を紹介するとともに、やはり医療の崩壊が叫ばれて久しい日本の制度改革へ向けた具体策を提言する。 ○目次 第1章 今、日本の医療に何が求められているのか 第2章 英国医療改革とは何か-NHSの果敢なる挑戦(NHSとは-「公平・無料・国営」の揺るぎない理念 英国医療改革の鳥瞰図-決断・戦略・実行) 第3章 医療改革に何が必要か-英国医療改革の実像(「政治の力」-信念とリーダーシップ 「患者中心」-患者の納得と参加 「地域」-医療の地方分権 「公平」-健康「格差」への目配り 「医療従事者」-クオリティの高いサービスを提供できる医師の確保 「プライマリケア」-「かかりつけ医」という安心 「医療の可視化」-「質」と「効率」の二兎を追う 「医療の効率化」-限りある資源の有効活用) 第4章 英国医療改革は何を成し遂げたか-残された課題とNHSの未来(英国医療改革の成果と課題 日本の医療改革へのヒント)