「人模様:現場から見つめた医療の今--菊地かほるさん」『毎日新聞』2010年6月12日 東京夕刊

毎日新聞東京夕刊で菊池かほるさんが取り上げられています。 以下、毎日新聞HPより転載。
「人模様:現場から見つめた医療の今--菊地かほるさん」『毎日新聞』2010年6月12日 東京夕刊 元東京警察病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)で、2月に同病院を定年退職した菊地かほるさん(60)が、日々の出来事や自身の思いを「これがMSWの現場です」(医学通信社)にまとめ、刊行した。  「患者さんに接するとき、最も大切なのは人間の尊厳を意識することだ」と強調する。「たとえば医師は、疾患の部位、病気を治すことだけに集中しがち。でも、それでは入院から退院までベルトコンベヤーに乗せられて移動するようなもの」  一方、患者や家族の悩みに寄り添い、生活や社会復帰の援助をするMSWも「最近は必要な面接をせず、ワーカーサイドで判断する傾向に陥っている」と自省の念も含めて指摘する。本では実際に出合った40の事例を紹介しながら、現在の医療の問題点を見つめる。  中学時代、「病院で患者や家族を支える仕事がある」と母に聞き、ワーカーの道を志した。「どんなに科学や医療が進歩しても私たちは生身の人間。それを忘れてはならない」と語る。【明珍美紀】