平成24年度介護老人保健施設介護報酬が公表されました

本日、平成24年1月25日に第88回社会保障審議会介護給付費分科会が開催された。 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002113p.html 今日は疲れたからもう寝ようかと思ったが、平成24年度からの介護老人保健施設の介護報酬が掲載されたので、取り上げない訳にはいかない。
 介護老人保健施設サービス費(Ⅰ) 【介護保健施設サービス費(ⅱ):多床室】 (旧) 要介護1 813単位/日 要介護2 862単位/日 要介護3 915単位/日 要介護4 969単位/日 要介護5 1,022単位/日 【介護保健施設サービス費(ⅳ):多床室】 (新) 要介護1 819単位/日 +6単位 要介護2 893単位/日 +31単位 要介護3 956単位/日 +41単位 要介護4 1,012単位/日 +43単位 要介護5 1,068単位/日 +46単位
従来の在宅復帰支援機能加算(I)は、15単位/日であったことから、加算ではなく本体の報酬増となる。特に要介護度が高くなるほど旧報酬よりも増額幅が広がっている。逆に要介護1の者は報酬減である。 ただ、曲者は以下の算定要件であろう。【在宅復帰要件】は、従来の在宅復帰支援機能加算と変わりはないが、【体制要件】【ベッド回転率要件】と【重度者要件】が新たに加わっている。 【ベッド回転率要件】は、総退所者数が少なく、それが要因で在宅復帰率が見かけ上高くなっている施設を除外する目的で設定したものと思われる。 【重度者要件】は、同サービス費を算定する目的で在宅(自宅だけではないのがポイント)に復帰しやすい軽い介護度の者ばかり入所させる施設を除外する目的で設定したものと思われる。
 【体制要件】 理学療法士作業療法士又は言語聴覚士を適切に配置していること。 【在宅復帰要件】 ・ 算定日が属する月の前6月間において当該施設から退所した者の総数(当該施設内で死亡した者を除く。)のうち、在宅において介護を受けることとなったもの(入所期間が1月以上のものに限る。)の占める割合が100分の50を超えていること。 ・ 入所者の退所後30日以内(当該入所者が要介護4又は要介護5である場合は14日以内)に、当該施設の従業者が居宅を訪問し、又は居宅介護支援事業者から情報提供を受けることにより、退所者の在宅における生活が1月以上(当該入所者が要介護4又は要介護5である場合は14日以上)、継続する見込みであること。 【ベッド回転率要件】 ・ 30.4を入所者の平均在所日数で除して得た数が0.1以上であること。 【重度者要件】(以下のいずれかである場合) ・ 算定日が属する月の前3月間における入所者のうち、要介護4又は要介護5である者の占める割合が35%以上であること。 ・ 算定日が属する月の前3月間における入所者のうち、喀痰吸引が実施された者の占める割合が10%以上又は経管栄養が実施された者の占める割合が10%以上であること。

高在宅復帰率のマネジメントを行っている支援相談員を評価するため、社会福祉士取得の有無が体制要件に加わらなかったのは誠に残念である。しかし、支援相談員総体が介護報酬改定に対してロビー活動を行う母体を持っていないため、致し方ないであろう。 ただし、せっかく高在宅復帰率を誇っても、十分に評価されることがなかった(在宅復帰支援機能加算を算定しても数百万円の収入増にしかならない。しかし稼働率によっては、ネットで相殺or収入減)老健が、今回の報酬改定で収入増になることを期待してやまない。 在宅復帰支援機能加算(I)を算定している、全国で数パーセントの老健のみなさんは、早速改訂シミュレーションを行っていることだろう。検討を祈る。