「在宅医療に地域責任者7000人 病院依存脱却へ 厚労省が体制整備」『日本経済新聞』2012/8/27

恐らく、今年度厚生労働省が予算獲得した『在宅医療・介護推進プロジェクト』の中の、「多職種協働による在宅医療を担う人材育成(多職種協働によるサービス調整等の研修)」のことを指しているものと思われる。 管理職の立場にある医療ソーシャルワーカーの方々。是非、手を挙げて頂きたい。1医療機関の業務にとどまるだけでなく、日常的かつ大量に医療・介護両方の調整を行っていることをもっとアピールしてもよいのではないだろうか。 以下、日本経済新聞社HPより転載。
「在宅医療に地域責任者7000人 病院依存脱却へ 厚労省が体制整備」『日本経済新聞』2012/8/27  厚生労働省は住み慣れた場所で医療や介護のサービスが受けられる体制を整えるため、中核となる人材を組織化する。今年度中に全国で7千人以上の責任者を配置する計画だ。地域の実情に応じた24時間体制の在宅医療や介護を実施する。入院できる患者数が限られる現状を踏まえて病院に頼りすぎる体質を改め、サービスの効率化も狙う。  厚労省はまず10月に在宅医療や介護の専門知識、行政の実務に通じた250人を選ぶ。都道府県ごとの統括責任者を5人程度置く体制とし、関連の研修も予定する。  さらに各都道府県で、それぞれ150人程度を地域の責任者として配置する。責任者には医師、看護師、ケアマネジャーのほか、患者や家族の相談に乗る医療ソーシャルワーカーも登用する。全国で約7千人に上る責任者は主に市町村のレベルで調整役を担う。情報交換が不足しがちな医療と介護の連携を強くし、地域間の偏りもなくす。  責任者は在宅医療に関わる人向けの研修も実施する。24時間の対応が難しい開業医や保険薬局への支援、患者情報の共有などで手法を紹介する。  厚労省は今年度、医療と介護のサービスを一体で提供するため、約100の連携拠点を設けた。診療報酬と介護報酬の改定を通じて深夜の往診などの報酬を上げたり、24時間対応の訪問介護サービスを新設したりした。支援を重ねてきた半面、在宅医療の普及を支える人材の育成は最重要課題として残っていた。  厚労省によると、国民の6割以上が自宅での療養を望んでいる。一方で現在の医療は病院完結型とも呼ばれ、1950年に80%だった自宅で死亡する人の割合は2010年で12%まで下がった。高齢者の長期入院による施設不足は深刻で、在宅で医療や介護を進めざるを得ない事情もある。  国の方針を受け、都道府県は13年度から始まる医療計画をつくる。在宅医療・介護の具体策をまとめるほか、「自宅で最期」を迎える人の割合を目安で示す見通しだ。  都道府県は地域の責任者の人選にも協力する。責任者は無償で務め、行政が想定する人材が順調に集まるかは不透明だ。本人の意欲や能力で左右される面もある。  現在の在宅医療は医師の訪問医療が中心で、11年の在宅医療費は前年比17%増と大きく伸びた。体制強化で在宅医療費はさらに膨らみそうだが、医療費の4割程度を占める入院医療費は伸びの抑制を期待できる。厚労省は医療費を適正な水準に戻すため長期入院の見直しを重視している。