在宅医療・介護推進プロジェクトと灯台下暗し

政府・厚生労働省が立ち上げた『在宅医療・介護推進プロジェクト』 は、予算が確定し、現在実施段階に移行している。 同プロジェクトに対する、平成24年度要望額は127億円であったが、実際配当額は35億円と当初予算の約72%の大幅カットになった様だ。 在宅医療の推進について(厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/index.html 同プロジェクトは、以下3つの柱で構成されている。 1.在宅チーム医療を担う人材育成(要望8.7億円→予算約1.1億円) 2. 実施拠点となる基盤の整備(89億円→23億円) 3.個別の疾患等に対応したサービスの充実・支援(29億円→11億円) このうち、予算要望段階では、次の3つの具体的事業において医療ソーシャルワーカー社会福祉士)のことが言及されていた。併せて、実際配当額は、以下の通り(赤文字)。 1 在宅チーム医療を担う人材の育成 ○ 在宅チーム医療の推進のための研修(在宅医療を担う職能別の研修)要望5.5億円→予算削除 ○ 多職種協働による在宅医療を担う人材育成(多職種協働によるサービス調整等の研修)3.2億円→約1.1億円 2 実施拠点となる基盤の整備 ○ 在宅医療連携拠点事業(多職種協働による在宅医療連携体制の推進)31億円→20.6億円(うち復旧・復興分10.5億円) ※職種にリハビリ職種が追加された。 予算の付いた上記2事業を実施するにあたり、中心的役割を担うことになったのは、愛知県大府市にある国立長寿医療研究センター在宅連携医療部だ。 http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/index.html 勤務先の隣の市にあり、灯台下暗しとはこのことを言うのであろう…。 ○ 多職種協働による在宅医療を担う人材育成(多職種協働によるサービス調整等の研修)のうち、第一段階である都道府県リーダー研修は、先月10月13日・14日に東京にて実施済である。予定では年度内に、都道府県リーダーが各都道府県で約150名の地域リーダーを養成する研修を実施予定であり、恐らく地域リーダーの選定作業が目下都道府県にて行われているものと推察する。 当日の研修資料 http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/jinzaiikusei/leader01_doc.html また、○ 在宅医療連携拠点事業(多職種協働による在宅医療連携体制の推進)については、採択事業所一覧がGoogle Mapと共に掲載されており大変便利だ。 http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/renkeikyoten.html 実際に、国立長寿医療研究センター在宅連携医療部のスタッフが採択事業所を訪問した事務局ブログは、温かみもあって大変分りやすい。 http://zaitakurenkei.blogspot.jp/ ここでもまた、勤務先の隣の市が行政枠で採択されており、これまた灯台下暗しである。 細かな話になるが、在宅医療連携医療部には認知症地域医療専門職として清家理氏が加わっている。ご近所で働きつつも面識はないが、MSW経験のある京都大学大学院博士課程修了者であり、我々MSWにとっても稀有な存在であろう。 http://www.ritsumei.ac.jp/~mlspo1/96.html なお日本医療社会福祉協会は、年明けに以下の興味深い研修を実施する予定だ。 2012年度在宅医療連携拠点事業に関する研修 日時:2013年1月13日(日)10:00-17:00 会場:全国市町村会館ホールA(東京都千代田区永田町1-11-35) 主催:日本医療社会福祉協会 今回、在宅医療連携拠点事業に採択された事業所に勤務しているMSWの皆さんには、大いにご活躍頂きたい。