岩瀬大輔『入社10年目の羅針盤』PHP研究所,2012.6.21

岩瀬大輔『入社10年目の羅針盤PHP研究所,2012.6.21 ○内容 あなたは今の仕事を楽しんでいますか? 著者は28歳の時にそれまで働いていた会社を辞め、ハーバード経営大学院に留学。卒業時に、日本人で4人目となる、上位5%に入る成績最優秀称号(ベイカー・スカラー)を受ける。その一方で「キャリアを通して何を実現できれば、成功したといえるのか?」「幸せとは?」といったことを議論していた。 そして著者は「楽しい仕事とつまらない仕事があるわけではない。すべての仕事は自分次第で楽しくもなるし、つまらなくもなる」と悟る。 20代のコンサルタント時代「エクセルにデータ入力をしていた時、数字に触ることで会社の状況が分かるようになり、仕事が格段に楽しくなった」という。 「楽しく働くための3つの仕事観」を軸に、2012年3月ライフネット生命保険東証マザーズに上場する。 本書では「仕事がつまらない」と悩みを抱える多くのビジネスパーソンに「仕事を楽しくする55の秘密」を公開する。 ○目次 仕事は、他人の力を借りれば、4倍楽しくなる 勉強が嫌いな人でも人生の「学び」ならたのしめる 仕事を楽しそうにしている人の秘密 不採用通知は、自分の人生を闘っている賞状だ 仕事とプライベートは分けるな 目的地までの旅を楽しくする ○著者略歴 ライフネット生命保険株式会社代表取締役副社長。1976年埼玉県生まれ。東京大学法学部卒業。大学在学中に司法試験に合格。その後、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、ハーバード経営大学院に留学。卒業時に、日本人では4人目となる、上位5%に入る成績最優秀称号(ベイカー・スカラー)を受ける。帰国後、ライフネット生命保険設立に参画。2009年より現職。2010年、世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」に選出。2012年3月15日東証マザーズに上場(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 【印象に残った言葉】 ・“Managing Your Boss”これは僕がハーバード・ビジネス・スクールの授業で教わった言葉で、「自分の上司を上手にマネージせよ」という意味です。つまり、上司とのそりが合わないのは、相手が悪いのではなりません。自分が上司をマネージできていないということなのです。上司とケンカすることが目的なら、相手の嫌なところを徹底的に研究するのも構いませんが、気持ちよく働きたい、自分のスキルをもっと伸ばしたい、ハッピーになりたいというのであれば、上司を上手にマネージする方法を考えるべきです。そのためにはまず上司に敬意をもって接すること。自分がそのように接していれば、だんだんと上司とのソリも合ってくるようになるでしょう。(pp.27-28) ・では上司をどうマネージすればよいか。僕は、「借りる力」を持つことではないかと思います。(p.28) 【考えたこと】 ・当たり前のことですが、上司に何かをお願いする際に、単純にお願いするのと数手先を読んでそこにも配慮したうえでお願いするのとでは採用される確率が違う訳です。しかし、忙しいとついその手間を省いてしまう。結果的に、準備したものが不採用となってしまう訳です。そこから改めて補足資料を提出しても「後の祭り」ということが少なくありません。やはり、「人事を尽くして天命を待つ」でしょうか。常に頭において行動したいものです。 ・タイトルに惹かれて購入しましたが、あまり印象に残った言葉はありませんでした。やはり著者の話題作『入社1年目の教科書』ダイヤモンド社,2011.5を購入すべきでしょうか。