学会サイト作成

学会のHPを作成するにあたり注意したこと、また今後の課題を記しておく。

1.公共性
個人のHPとは異なり学会としての公共性が重要となるため、企業広告があちこち掲載されるHPは避けたい。また、手作り感があるホームページもそれはそれで味わい深いものだが、後援を頂いたり来賓また講演を頂く方々や団体そして市民が学会のHPをみた時に、信頼のおけるものである必要もある。

2.運用コスト
学会HPの作成業者は実に多い。お金をかければ実にしっかりしたHPはできるであろう。しかし、財政規模の小さい学会ではHPの運用コストに潤沢な予算を割くことは難しい。

3.継続性
かといって、無料のHP作成に頼ると、上述の手作り感が出てしまったり、HP作成について一定の知識がある人にしか作れなかったり、という問題が生じてしまう。そのため、常に誰でもできる様な標準化を念頭に置いてHPを作成する必要がある。

上記1・2・3の事項をバランスをとってやりくりするのに、現時点で最適だと思ったのがWiX.comだった。HP作成料は無料。webブラウザ上で簡単に操作でき、しかもテンプレートが豊富で一定の水準を保ったデザインのHPが作成できる。但し、広告はWIXに関するものが最低限表示される。(900円/月の追加料金を払えば広告は無くなる。)

恐らく、日本医療社会福祉協会京都大会実行委員会のHPも同じことを考えてWiXでHPを作成したものと推察する。但し、WIXは学会に特化したHP作成サイトではないので、大会申込機能、演題受付機能、抄録検索機能といったものは別に作成する必要が出てくる。ここまで来ると、2運用コストで述べたとおり一定の知識がある人にしか作れない、という問題が生じてしまう。

少なくとも、大会申込機能についてはGoogleフォームを用いることで作成は可能であろう。受付確認用の自動メール送信はアドオンを使用することで可能だが、その返信フォームに受付番号を付けることは現在の私の知識と技術では困難である。仮に出来る様になっとしても、
継続性の観点から他の担当者でも作成ができる程の標準化ができなければいけない。

無料で演題管理・大会後の演題の公開については、UMINのシステムが有名だが、現時点では最低でも150演題以上が条件であり、小規模な学会にとっては高いハードルとなっている。

注目すべきは、m3.comが運営する学会研究会.jpの「無料WEBサイト開設サービス」である。

無料で、ホームページ作成・申込受付・演題管理(フォーマットによる演題受付・採択・大会後の演題の公開)・機関誌のオンライン化などが出来る(詳細)。但し、学会参加者全員がm3.comの会員になってログインする必要があり、会員になるとm3.comからスポンサーの医療系企業からの商品紹介メールが届くようになる。無料でここまでのサービスを受けることができるのは、スポンサーのおかげではあるが、学会運営上悩ましい判断となることは間違いないであろう。

学会のHP作成は一朝一夕にはならずである。