新刊案内

4月は色々新刊が出ますね。


児島亜紀子『社会福祉実践における主体性を尊重した対等な関わりは可能か: 利用者–援助者関係を考える (MINERVA社会福祉叢書) 』ミネルヴァ書房,2015/4/10

○内容
「主体」と「他者」を鍵概念として、非対称な関係性にある利用者-援助者がいかに協働すべきかを考察する

○目次

第1部 他者の“他者性(otherness)”を尊重する(「他者に基礎づけられた倫理」の可能性―傷つきやすい他者への応答
満たされるべきニーズ/表明されないニーズ
社会福祉援助におけるジェンダー―援助者と利用者の動態的関係)
第2部 ワーカーという主体を再考する(文化的他者としての利用者と援助者―外国人住民の増加をめぐって
もう一人の他者との連携・協働―多職種連携・協働の課題とその可能性
ワーカーのオートエスノグラフィー―どこまで反省的になれるか
方面委員制度にみるケアとコントロールの諸相―社会事業期における援助実践から)
第3部 利用者‐援助者関係を考える(利用者‐援助者関係のバランス―援助するひとと援助されるひととは、どこまで対等になれるか
自己決定をめぐる支援者の問題―体験を通した選択肢の獲得に焦点を当てて
援助の終結とその評価の意義)

○コメント
待ちに待っていた本がようやく出版。レヴィナスの他者論が下敷き。



山辺朗子『ジェネラリスト・ソーシャルワークにもとづく社会福祉のスーパービジョン:その理論と実践 (新・MINERVA福祉ライブラリー) 』ミネルヴァ書房,2015.4.20

○内容
日本の社会福祉現場ではスーパービジョンの必要性が認識されているものの、実践されている事例が少ないのが現状である。この要因として、社会福祉の研究において、いまだにケースワークに主眼をおいたスーパービジョンのモデルが主流を占めている点が挙げられる。この状況を鑑み、ジェネラリスト・ソーシャルワークの観点からスーパービジョンを現場に導入・定着・展開させるための方法をまとめたのが本書である。スーパービジョンが大切なのはわかるが、どう実施すればよいのかわからない、という現場の声に応える一冊。

○目次
はしがき
 第1部 スーパービジョンの理論
第1章 社会福祉援助・支援とスーパービジョン
第2章 社会福祉のスーパービジョンとは
第3章 スーパービジョンの基本的考え方
    ──相互作用アプローチを中心に
 第2部 スーパービジョンの実践に向けて
第5章 職場にスーパービジョンを導入する
第6章 スーパーバイザーになる
第7章 スーパービジョンを展開する
第8章 スーパービジョンをめぐって
あとがき/参考・引用文献/巻末資料/索引

○コメント
山辺氏による一連のジェネラリスト・ソーシャルワーク研究の最新版。


高木俊介ほか編『統合失調症のひろば(2015年春号) 通巻 5号 : 家族ってなんだろう』日本評論社,2015/3/18

○内容
回復には定期的な服薬ばかり強調されているが、何よりもまず家族関係等の環境が必要である。特集では様々な家族の在り方を問い直す。

○目次
●特集によせて「家族について思うこと」
[特集]家族ってなんだろう
「看取り」ということ
統合失調症だった兄、教生まさおのこと
母と私
義妹とのかかわりから考えたこと
「家族」について思うこと、「家族」を想うこと
一人暮らしがくれた家族の平穏
たくさんの山を乗り越えて
両親がくれたもの
息子との歩み
家族は運命の根っこ
児童養護施設職員から見た家族
絆あるいは愛着と生活相談の意義
母の死 認知症を抱えて逝くということ
家族ってなんだろう
(4号番外編)私を変えた出来ごと
初めての実習を終えて
主治医と信頼関係を築くには
カレーライスと分裂病
自分自身を養生する アントロポゾフィー精神医学とは
『精神科』での経験
科学と迷信
目に見えない財産 思いにつながる私の物語
話すことと寛容性、そして美しく魅せるイタリアの文化
[対談]
さまざまな家族のかたち(前編)
[座談会]
母の物語を紡ぐ出会いの瞬間(とき)
[座談会]
ヌミノース体験の世界を語る(後編)
クロザピンは適切に使われているか
●連載
訪問看護の現場から(3)
病気になる前よりも元気(5)働くことについて
D(ドンコー)列車で行こう!
●詩「魂を照らす」
●詩「こんないい日」
●詩「もう泣くな」
読書のひろば
読者のひろば
●編集だより

○コメント
統合失調症と家族。家族療法の出発点。