第63回日本医療社会福祉協会全国大会・第35回日本医療社会事業学会(2015年5月28〜30日)

2015年5月28日から30日までの3日間、京都にて第63回日本医療社会福祉協会全国大会・第35回日本医療社会事業学会へ参加してきました。最終参加者は、1,115名だったそうです。
http://kyotojikkou.wix.com/2015zenkokutaikai

大会の様子は、日本医療社会福祉協会facebookに写真が充実していますのでご覧ください。

以下、大会に参加しての感想。

■認定医療社会福祉制度説明
2年前には、「認定社会福祉認証認定機構の行う認定社会福祉士制度への統合化を検討していく」(2013年度 社員総会議案書,p92)との方向性が日本協会から打ち出されました。ここで言う統合化とは認定医療社会福祉士制度を廃止し、認定社会福祉士への一本化を図ることだと私は思っていました。他職種と比較した場合の組織規模の小ささ、法律の付帯決議に基づいた認定制度との差、認定までのルートの簡素化、それらを勘案して妥当な判断だと思っていました。しかし残念ながら、日本協会が今後展開しようとしている諸制度は180度方向性が異なるものでした。最初から統合化の意味するところを私がミスリーディングしていたのかもしれません。
説明を聞いての感想は、「専門性の安売り。それは自組織からも他組織からも理解しがたい。」これにつきます。また、理事会内部の合意形成の仕組みと公表方法にも疑問を持ちました。

■鼎談 ニーズからの創造 個別援助・支援からソーシャルアクションへ
ベテランMSW3人が自身の実践から、やがて全国レベルでの展開となるまでの経緯についてご発表されました。きっかけとなったクライエントとの出会いをもとに、諦めず・仲間を増やしてソーシャルアクションを成し遂げた先輩方の発表は、本当にすごいなぁと思いました。一方で、自分がそういう出会いをしたとしても、問題に気付けていない・気づかない振りをしているのではないかと反省もしました。鼎談開始前に、分科会での発表の基となった調査でヒアリングに伺ったお礼と、その後に強く実感した思い(ソーシャルワーカー部門の責任者の考えと行動が部門のSW業務を規定する)をお伝えすることができました。

■特別講演 「超少子高齢社会を乗り切る方法は地域包括ケアシステム以外にない」
上記テーマでの、厚生労働省保険局長唐澤剛氏の講演。毎年55万人が高校を卒業して、5万人が看護師になると。つまり高卒生のうち1割が看護師になっているというデータに驚きました。それでも2025年に向けた必要看護師数の確保は難しい様子。次期診療報酬改訂に向けた評価の方向性及び我々医療ソーシャルワーカーに与えられた宿題(期待)を診療報酬改訂議論開始となる今夏までに、形にしなければいけません。ミクロレベルだけでなくメゾレベルでの業務展開が具体的な形をもってなされる必要性を改めて感じました。

■データシステムの今後の展開
今回他の講演と重なったため参加しませんでした。このシステムは日常業務で大変お世話になっており、その有益性は日々実感しているところです。しかし、問合せをしても返事が無い、昨年バージョン3が公開されてしばらくすると説明もなく配布中止になってしまった、昨年夏から秋ごろに公開予定であったFileMkerPro版が未だに公開されないなど、説明と実際が異なることが気になります。担当チームの方々のご努力は実感していますが、今後の不確定な予定よりも確定した内容のみをお話頂いた方が会員に誤解を与えないのではないかと思います。こちらも協会活動として疑問を感じることの1つです。
http://www.jaswhs.or.jp/datasystem/datasystem_v3.php

■拙発表が優秀演題に選出!?
今回、「ホームレスに対する医療機関の取り組みの現状 ~第二・三次救急医療機関へのアンケート・ヒアリング調査を踏まえて~」というテーマで発表させて頂きました。これは、研究にご一緒させて頂いた、『済生会生活困窮者問題調査会平成25年度調査研究助成事業 報告書 ホームレスの地域生活移行に向けた公私連携の現状に関する調査研究』2014年3月(代表:日本福祉大学山田壮志郎准教授)の成果を一部発表したものです。
https://sites.google.com/site/mswlab/home/shigoto-1

あまり過度な考察をせず、禁欲的にデータを解釈して発表したため、聞く側からどの様に受け止められるか心配だったのですが、座長より第3分科会優秀演題にご推挙頂きました。最近、あまり元気がない日々が続いたため、本当にうれしいサプライズとなりました。他のご発表も参考になることが多く、明日からの業務に活かしたい点をいくつもメモさせて頂きました。

■会長交代
4年前の大分大会で会長となられた佐原まち子氏が本大会をもって退任。新会長は北里大学病院の早坂由美子氏となりました。昨年1年間厚生労働省で築いたパイプを活かして、大いに協会を盛り上げて頂きたいです。そして、佐原前会長は本当にお疲れさまでした。

■愛知県協会の正式加盟
全国医療ソーシャルワーカー協会会長会に正式メンバーとして愛知県協会が加盟しました。また、全国医療ソーシャルワーカー協会研修担当者会議にも愛知県協会の研修担当理事が参加しました。もちろん、両者とも参加費用は協会予算で計上されており経済的バックアップもなされています。他の医療職と比べて規模の小さな職能団体であり意見が異なるからといって分断してしまっては更に力が削がれてしまいます。オープンな場での意見交換・情報収集が重要と考えます。上記2つの会への県協会としての参加については、県協会の総会で繰り返し要望してきた内容であり、実現してホッとしています。しかし、今年度はあくまでスタートだと思います。ちなみに今大会直前に山梨県医療社会事業協会が会長会に加盟したことで、日本協会+47都道府県の全団体で構成される協議体となった様です。

■次回の大会は、新潟
注目の次回大会は、新潟の朱鷺メッセだそうです。会期は2016年5月26日(木)〜28日(土)。会場と一体になったホテル日航新潟に泊まるべきが、大浴場付きのドーミーインに泊まるべきか、今から迷っています(笑)。あぁ、まだ行けるとは決まっていませんでした。

■その他
昨年度半年間参加した、WITH医療福祉実践研究所主催の「がん・緩和ケア ソーシャルワーク」でご一緒したメンバー5名にも会うことができ、まだ最近のことなのにとても懐かしくそして愛おしく感じました。昨年度いくつか研修に参加していますが、メンバーに会ってこれだけ自分の感情が動くということは内容の濃い研修だったんだな、とつくづく思いました。他にもたくさんの知人にお会いして、とても嬉しかったです。

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会場のみやこめっせ。一つ一つの部屋が広く、また動線も短くとても快適な会場でした。1年以上に渡って準備を進めてこられた京都医療ソーシャルワーカー協会のみなさんに感謝です。

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看板

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初日は、餃子の王将からの京都拉麺小路(笑)

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色々迷ったあげく、ますたにへ。背脂が多くちょっと合わず

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大会2日目の昼食

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帰路、小川を一緒に散歩させて頂いたTさん。常に本質を問い続ける姿勢にハッとさせられます。

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やっぱり、本家第一旭へ。京都ラーメンでは今のところ第一位。いつも特製ラーメンが気になるけれど、このあとの飲み会をみこして普通ラーメンに。美味し。

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四条にあるクラフトマンというお店に。この大会に参加して数年になりますが、初めて「愛知組」での飲み会。他の都道府県協会と同様に、こういう会ができることを夢見ていました。ずっとお話ししたかった方ともゆっくりお話しができ、ついつい日付が変わるまで飲んでしまった。

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シンプルだけどおいしい。

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3日目。自分が発表する第3分科会会場。広い・・・。

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最後は、職場のメンバーと一緒に夕食。湯葉は美味しい。