「『介護する人の思い背負った』認知症JR事故で勝訴の長男語る」『朝日新聞』2016年3月22日

JR東海の踏切事故の損害賠償訴訟の最高裁判決で、亡くなった男性の長男が朝日新聞のインタビューに応じている。訴訟中の8年間、家族や親族からの反対。列車の遅れで多くの人に迷惑をかけたという思い。「もうやめようか」と迷った瞬間。最高裁は無罪の判決を下しましたが、裁判の過程で家族は複雑な心境だったのだろうと察しました。色々な人に励まされ、「家族を介護する、日本中の人の思いを背負い、ここでやめられない」と思い至るところに、長男の精神力の凄さを感じました。

「『介護する人の思い背負った』認知症JR事故で勝訴の長男語る」『朝日新聞』2016年3月22日
http://www.asahi.com/articles/ASJ3Q34MVJ3QUBQU007.html

 事故から8年余り。大企業を相手に闘った。「最初は勝ち目もないと思い、孤独でした」。家族や親戚にも「肩身が狭い」「うわさになる」と反対された。列車の遅れで多くの人に迷惑をかけたことは痛感していた。二審で男性の妻(93)に約360万円の賠償を命じられた後、「もうやめようか」と迷った。

 「ひとごととは思えない。応援しています」「在宅介護を続ける人たちのために頑張って」――。そんな手紙やメールが全国から届いた。似たような事故で、鉄道会社に賠償金を支払った人からの励ましもあった。「家族を介護する、日本中の人の思いを背負い、ここでやめられないと思いました」