文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長『(28初初企第7号)小学校等の課程を修了していない者の中学校等入学に関する取扱いについて(通知)』平成28年6月17日

児童虐待や、諸処の理由による養育困難の事例においてMSWとしても把握しておいた方がよい通知であろう。


文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長『(28初初企第7号)小学校等の課程を修了していない者の中学校等入学に関する取扱いについて(通知)』平成28年6月17日
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1372591.htm

1.小学校未修了者の中学校等への入学については,当該小学校未修了者が中学校相当年齢に達しており,次のような特別の事情を有する場合には,認めることが適当と考えられること。
(1) 保護者による虐待や無戸籍といった複雑な家庭の事情や犯罪被害等により,学齢であるにもかかわらず居所不明となったり,未就学期間が生じたりした子供が,小学校未修了のまま中学校相当年齢に達してから中学校等への入学を希望する場合
(2) 不登校等により長期間学校を欠席する間に,やむを得ない事情により小学校未修了のまま小学校相当年齢を超過した後,通学が可能となり,中学校等への入学を希望する場合
(3) 病弱や発育不完全等の理由により,小学校相当年齢の間は就学義務の猶予又は免除の対象となっていた子供が,中学校相当年齢になってから就学が可能な状態となり,小学校未修了のまま中学校等への入学を希望する場合
(4) 海外から帰国した子供が,重国籍や日本語能力の欠如といった理由により,就学義務の猶予又は免除の対象となって外国人学校の小学部等に通った場合で,その子供が中学校段階から中学校等への進学を希望する場合
(5) 日本国籍を有しない子供がいったん外国人学校の小学部等に通った後,経済的な事情や居住地の変更等といった事情により,中学校段階から中学校等への転学を希望する場合
(6) 戦後の混乱や複雑な家庭の事情などから義務教育未修了のまま学齢を超過した者の就学機会の確保に重要な役割を果たしている中学校夜間学級等に,小学校未修了者が入学を希望する場合

なお,上記のような場合は,学校教育法施行令第20条に規定する「保護者に正当な事由がないと認められるとき」や同第21条に規定する「就学義務を怠っていると認められるとき」には該当しないものであること。 2.小学校未修了者の中学校等への入学を認めるに当たっては,当該未修了者が,未就学期間があったことにより,学習内容にまとまった欠落があるな ど,日々の教職員による指導において補充的に対応するだけでは十分な支援ができない場合も考えられる。このため,市町村教育委員会と学校とが協力し,必要 に応じて地域の学校支援組織やNPO等の民間団体とも連携しつつ,生徒の状況を踏まえた個別の支援計画や教材を準備し,放課後や長期休業日の活用も含め, 修業年限全体を通じた組織的・計画的な学習支援や進路指導を行うことも検討すること。

  また,当該生徒が児童養護施設へ入所している場合や,貧困,虐待,ネグレクトなど特別な生活上の課題を抱えている場合には,スクールカウンセラー,スクー ルソーシャルワーカーといった専門職員や児童相談所等の関係機関と緊密に連携しつつ,生徒の立場に立ったきめ細かな支援を充実させること。

  各都道府県教育委員会においては,市町村教育委員会の意見を聴いた上で,当該生徒の在籍校における学習指導上・生徒指導上の課題の状況を総合的に判断して 必要と認められる場合は,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置に係る補助や国・都道府県の教職員定数の加配など各種の人的支援措置の 活用も考慮しつつ,当該在籍校の指導体制の充実に努めること。