わたしは、ダニエル・ブレイク

ケン・ローチ監督最新作。予告編の中で"尊厳"という言葉が登場し、ハッとさせられました。数年前に初めて福山和女先生の講義を聞いた時、"人間の尊厳"という言葉を使われていました。私は当時、何もそこまで大げさな言葉を使わなくてもいいのではと思いました。しかし、臨床場面で時々その言葉を思い出す瞬間があり、自身の援助の在り方を省察する契機となりました。今では、”人間の尊厳”と言われると、素直に「大切だね」と思う自分がいます。


ケン・ローチ監督『わたしは、ダニエル・ブレイク』2016年,100分
http://danielblake.jp/

劇場公開日 2017年3月18日

〇ストーリー
イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエ ル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていくダニエルとケイティたち。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。