大沢かおり『がんになった親が子どもにしてあげられること』ポプラ社,2018年2月9日

「親のがん、子どもには理解する力がある…支援団体の大沢さん『家族の一員として尊重して』」『弁護士ドットコムNEWS』2018年2月25日
https://www.oricon.co.jp/article/408499/

大沢かおり『がんになった親が子どもにしてあげられること』ポプラ社,2018年2月9日

〇内容
年間5万6143人、子を持つすべてのがん患者と関係者に捧げる希望の書
2015年、日本国内の子どもを持つがん患者の推計が初めて公開された。
国立がん研究センター中央病院のデータだけを見ても、
がん患者の内およそ4人に1人が当てはまる計算だ。
子どもに自分の「がん」のことを伝えるのか、伝えないのか。
伝えるとしたら、どう伝えればいいのか。
親が「がん」になった子どもを、周囲はどのようにサポートしていけばいいのか。
これがいま、大きな課題となっている。
本書では、「がんになった親」が「子ども」にできることは何かという観点から、
専門家がアドバイスする。2人に1人が「がん」に罹患する時代、必携の1冊。

〇著者略歴
医療ソーシャルワーカー精神保健福祉士社会福祉士。1990年、上智大学卒業。91年、東京共済病院勤務。2007年から院内がん相談支援センター専任ソーシャルワーカー。08年、がんになった親とその子どもをサポートする「Hope Tree」を設立。10年、親ががんになった子どものサポート活動「CLIMB(クライム)」を実施。ホームページ上での情報提供、研修会など、支援活動を続けている。過去に自らも乳がんを患い、最愛の夫を自殺というかたちで亡くしている。その経験が現在の仕事に活きている。

〇目次
Introduction どの選択も、間違いではありません
Chapter1 子どもに伝えたほうがいいの?
できるだけ早く伝えることのメリット 等
Chapter2 子どもへの伝え方 ――基本編
はじめに伝えたい3つのポイント 等
Chapter3 子どもへの伝え方 ――発達に応じて
赤ちゃんから3歳くらいまでのお子さん(0~3歳)/小学校入学前の幼いお子さん(4~5歳)/小学生くらいのお子さん(6~11歳)/思春期のお子さん(12~18歳) 等
Chapter4 周りにサポートを求める
子どものためになる相談先は? 等
Chapter5に進む前に
Chapter5 あなたが遺してあげられるもの
レガシーワーク(思い出づくり)等
Conclusion 「がん」になったからこそ
Information 「がん」と向き合うために必要な情報

〇コメント
医療ソーシャルワーカーでありながら、がん患者当事者でもあり、自死遺族でもある。がん患者に対してだけでなく、がん患者の子ども、また親子を対象として活動を続けている大沢氏の単著が発売された。がん相談支援センターだけでなくがん患者に関わるソーシャルワーカー必読であろう。