エイブラハム・フレクスナー

フレックスナー報告(Is Social Work a Profession?1915)といえば、ソーシャルワークの歴史の授業で誰もが耳にしたことがあるだろう。

エイブラハム・フレクスナー(1866年11月13日 - 1959年9月21日)Wikipedia

報告当時49歳であったことが分かる。

① 基礎となる科学的研究(基礎科学)のあること
② 知は体系的で学習されうるものであること
③ 実用的であること
④ 教育的手段をこうじることよって伝達可能な技術があること
⑤ 専門職団体・組織を作ること
利他主義的であること

引用:三島1999

という専門職の基準を示した上で、1915年当時、「現段階でソーシャルワークは専門職に該当しない」と結論づけた。ソーシャルワークの専門性を考える上で、その評価は肯定的であれ否定的であれ重要な文献であることに間違いない。2年後の1917年にメアリー・リッチモンドが初めてソーシャルワークを体系的に記した『社会診断』を刊行している。

そのフレックスナーの共著訳本が発刊されたことを、本日(2020目⒨10月3日)の朝日新聞の書評欄で知った。

エイブラハム・フレクスナーほか(初田哲男 監訳)『「役に立たない」科学が役に立つ』東京大学出版会,2020.7.29



〇内容
好奇心と想像力から発見された「役に立たない」科学こそ,私たちの生活に「役に立つ」革新をもたらす――アインシュタインをはじめ多くのノーベル賞受賞者を輩出しているプリンストン高等研究所の創立者と現所長による,研究をとりまく社会に警鐘を鳴らす刺激的なエッセイ.「有用性」という言葉を捨てて,人間の精神を解放せよ.

〇目次
日本語版まえがき(ロベルト・ダイクラーフ)
監訳者まえがき
明日の世界(ロベルト・ダイクラーフ)
役に立たない知識の有用性(エイブラハム・フレクスナー)
本書に登場する研究者たち

■参考
東京大学出版会
http://www.utp.or.jp/book/b510449.html

三島亜紀子社会福祉の学問と専門職」『arsiv.com』1999
http://www.arsvi.com/1990/990300ma.htm