「阪神大震災の光景 介護保険『生みの親』が見た『未来』」『朝日新聞』2021年1月14日

阪神大震災の光景 介護保険『生みの親』が見た『未来』」『朝日新聞』2021年1月14日
https://digital.asahi.com/articles/ASP1D3397ND4UTFL006.html?iref=pc_ss_date_article

香取照幸氏のインタビュー記事。1995年介護保険の議論をしていた当時、香取氏は39歳。アラフォーの一番脂がのっている時に、職業人として何をすべきか考えさせられました。

以下、一部抜粋。

・「自立」という概念は自己決定と自己実現でできています。自分のことは自分で決める。そしてサポートを得た上で、決めたことを自分で実現する。それが自立です。身体的だけではなく、精神的にも社会的にも自立して初めて自立と言えます。そのための支援が「自立支援」という意味です。
健康寿命が延びれば、当然平均寿命も延びます。どんなに健康寿命を延ばしても、長生きした分だけ医療費は増えます。トータルの医療費は増えるのです。健康寿命を延ばすのはQOL(生活の質)に関わる問題だからであって、お金の問題ではありません。
・日本経済が本当にこのままでいいのか。今の現役世代は非正規労働が増えて、自分の生活設計もできないような働き方を強いられています。老後の生活に備えて準備することなどできない状況です。そうした人たちが将来老後を迎え、社会保障ですべてカバーするとなると、そのコストは半端なものじゃない。まず、現役世代の人が普通に働いて普通に稼げる社会を作ること。それがあって社会保障の議論ができる。社会保障制度を支える人たちがちゃんと支えられるようにしなければ、制度そのものが倒れるに決まっています。