第17回保健福祉学術集会シンポジウム「保健福祉学と介護をめぐる課題」『保健福祉学』2005,pp.35-53

【価値判断】△    【文献の性格】シンポジウム録

白澤政和(大阪市立大)、成瀬清治(福井県立大)、近藤克則(日本福祉大)によるシンポ録。 保健福祉学自体には今のところ関心はないが、白澤氏・近藤氏のコメントが印象深かった。

【白澤氏】

ICFについては、慶応のリハビリテーションの千野教授が言っていますが、ICFは福祉の概念で、医療はICIDHで展開していかないといけないということをリハビリテーション学会会長として発言しているわけです。」(p37)

→知らなんだ・・・

「ICIDHの因果論的な考え方が大事なポイントとして、何か失われる危険な要素を持っていないかということを提起したいのです。」(p38)

→なるほど、そういう見方もあるのか。

社会福祉学と介護福祉学は、『生活支援』ということで大きな柱になる。看護学と保健学は生命支援という、ここに『生命の質』を高めていくということを目的としている。社会福祉学と保健学は相談業務、介護福祉学と看護学は直接業務、ダイレクトにその人にケアをする、キュアをする。」(p39)

→大変的を射た表現である。

「私は社会福祉学という立場から申し上げますと、社会福祉学は生活支援の中で介護福祉学との連続性、一体的な議論をやらないと今後、社会福祉そのものの衰退につながっていくと思っています。」

→我が意を得たり。但し、これはsocial workに限定して考えた方が良さそうだ。

【近藤氏】

「介護予防においても、狭義の医学的側面、健康行動面だけではく、低所得、社会的孤立など社会的な側面も同じように重要です。」(p41)

→やはりこれか。

「介護サービスを受ける前に、機能回復をめざしたリハビリテーションを行うことを、リハビリテーション前置と言います。」(p42)

→研究に使えそう。