「心のケア国家資格『臨床心理士』『医療心理師』法案提出へ」『朝日新聞』,2005年6月18日朝刊

我々はどうなっていくのか・・・


(以下、本文から引用。)

病院、学校、職場などで「心のケア」にあたるカウンセラーの国家資格が新設される見通しとなった。自殺者が年3万人を超え、犯罪などの被害者も含めた心のケアに関心が高まる一方、民間資格が乱立してわかりづらく、公的な資格創設を求める声が上がっていた。ただ、幅広い分野での活動を念頭に独立性を保ちたい文教関係者と、医師と連携した業務を想定する医療関係者との利害が絡み、「臨床心理士」「医療心理師」の2資格が同時に設けられることになり、利用者側に混乱も生じそうだ。

国家資格創設をめざす二つの超党派議連が17日、2資格を新設する法案を今国会に提出することで合意した。現在「臨床心理士」「認定心理士」「臨床心理カウンセラー」など様々な民間資格があり、専門的な研修が必要なものから通信講座で取得可能なもの能力にもばらつきがある。国家資格にすれば、利用しやすくなり、学校や医療機関などの正式な採用も進むとみられる。信頼性や待遇を高め、必要な人材を確保する狙いもある。

また、現在、医療機関でのカウンセリングなどは公的医療保険の対象外で原則自己負担だが、今後、保険適用が検討される可能性もある。合意によると、「臨床心理士」は厚生労働省文部科学省が所管。医療機関や学校、企業など業務を行う分野を制限しない一般資格で、大学院修士修了が要件。「医療心理師」は厚老省所管で、病院を中心に「医師の指示の下」で業務を行う。要件は大卒とする医療機関で業務をする際には、臨床心理士も医師の指示に従うこととした。