共通言語と基本手技

近隣のMSWで構成しているブロック会議に参加。他地域の老健支援相談員数人と話す機会があった。

いつも、こういった場に出席するのが好きだ。それは、自分の業務や考え方を相対化できるからだ。ともすると、自分の目の前で起こるや、やっていることはどこの老健でも同じであると考えがちだが、やはりそうではないということを、実感する。元気に実践しているSWの話を聞けば、何かしらそこに自分の業務に活かすヒントが隠されている、と私は信じている。

今回の意見交換では、「同じソーシャルワーカーであるのに、業務上起こる現象について指し示す共通言語が無いよね。」という話に。お互い別々の言葉で同じ現象について時間をかけて話していって、ようやく言っていることが分かってくる。

また、退所前訪問やインテークや家族との面接の持ち方・タイミングなどの手技も各老健の状況に依存せざるを得ないという考え方が支配的であり、やはり、同じ仕事をしているはずなのに、なかなか議論がかみ合わない。

これは大変悲しいことである。

結論的に、もう少し支援相談員同士の共通言語とか基本手技とかが欲しいよねという話になった。(但し、それらは即物的でなくてはいけない。)そうすれば、限られた時間の中で、もう少し深い議論が出来ると思う。現状では、お互い波長合わせをすることに時間を費やすだけで貴重な時間が終わってしまうことが少なくない。

しかし、まずはここから始めるしかない。

【参考文献】

①日本社会福祉士養成校協会編『わが国の社会福祉教育、特にソーシャルワークにおける基本用語の統一・普及に関する研究報告書』2005.3

②日本社会福祉実践理論学会編『新版 社会福祉実践基本用語辞典』川島書店,2004.11

(出版社HPより)

社会福祉の方法・援助技術の分野において〈社会福祉実践の基本概念・用語の統一を図る〉わが国初めての用語辞典として好評を得た改訂版に、今回更に新たな項目を大幅に追加した新版。研究や実践に携わる人たちが協働して編んだ各用語は、新しい研究成果に基づき平易に解説されている。社会福祉士介護福祉士国家試験や福祉専門職をめざす学生・現場従事者の座右の書。