後期高齢者の診療報酬、終末期医療でヒアリング 厚労省特別部会(2006.12.12)

最近注目しているOnline Medより、以下転載(赤文字は、筆者による)。こういった公式な場にMSWが登場することは大変興味深い。疾患・分野別SWは、ゆっくりではあるが着実に発展しつつあると思う。あとは、その文章化作業が必要である。 今後、以下の作業が行われることを強く望む。

①疾患・分野別SWについての既出の論文を精選して、疾患・分野別SW書籍を発行する。(例:オンコロジー、緩和ケア、リハビリテーションエイズ、(神経)難病、老年医学、腎臓疾患など) ②疾患・分野別SW書籍を集約し、共通項目となる価値・倫理・援助技術・理論を踏まえて医療ソーシャルワーク論としてまとめあげる。なお、必要に応じて、疾患・障害に関する論考を医師に、療養に関する論考を看護師に執筆してもらうことも効果的。 ③同時に、疾患・分野別SWごとに、エビデンスを作れるよう、実証研究を実践者自ら精力的に実施する。但し、実証研究については大学の調査方法に長けた研究者も交えながら共同作業で行う。(ゆくゆくは、実践者が自立して実証研究を実施できるようになることが望ましい。) ④成果を実践に活用して、援助効果の向上を図る。さらに、この実践を論文化して①に戻る。 ※1これらの作業は、決して独自のものではなく、他職種の専門職化プロセスを参考にしている。 ※2他職種の卒前・卒後教育の取り組みについては、『週刊医学界新聞』の記事が有用。


ホスピスでのMSWの活動・在宅ホスピスの取組み・延命医療中止と刑法  後期高齢者医療制度の診療報酬体系のあり方について議論している社会保障審議会の特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)は12月12日、「終末期医療」について、有識者からのヒアリングを行いました。ヒアリングはこれまでに、後期高齢者の心身の特性等について1回、地域医療の現状について2回実施、この日は4回目となりました。  特別部会の委員でもある都内でホームケアクリニック川越を経営する川越氏は、末期がん患者に対する在宅ホスピスの取組みを紹介。在宅死したがん患者のケア開始から死亡までの期間は平均59.8日で、緩和ケア病棟の平均日数45日と比べると15日近く長いものの、緩和ケア病棟では2週間程度あるとされている待ち時間を考慮するとほぼ同等、年齢階級別に在宅ケア期間を見ると後期高齢者で長い傾向にあるが大きな差はない、痛みの程度は後期高齢者では軽い傾向にあるが医療内容には変わりがない、独居者などの在宅ケアを実現するためには弾力性のある地域サービスが必要、などの状況を紹介しました。  ホスピスを中心とした医療法人東札幌病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)の田村里子氏は、介護施設や在宅医療との連携に重点を置いた末期がん患者への対応の状況を報告。   また、厚生労働省の終末期医療に関する調査検討会の座長として04年7月に報告書をまとめた上智大学法学部教授の町野朔氏は、安楽死など「延命医療の中止」が刑法に問われるケースなどについて、判例を元に法的な側面についての考え方を説明しました。 出典:Online Med
①2006.12.13 5:25 修正