「終末期医療でヒアリングを実施 後期高齢者医療の特別部会」『社会保険旬報』№2301,2006.12.21,pp.32-33

日本医師会常任理事から外れている野中博氏(野中医院院長)がどの程度の影響力を持っているのか、分かりかねるが、厚労省の部会でこのような話が出されたことは興味深い。 以下、本文から引用。


厚生労働省は12日(本文は、11日。筆者修正。)、社会保障審議会の「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」(粕谷真平部会長)の第5回会合を開き終末期医療をテーマに有識者からヒアリングを実施した。医療ソーシャルワーカー(MSW)への診療報酬上の評価を求める意見などが出された。 ヒアリングでは、▽町野朔(上智大学法学部教授)▽田村里子(東札幌病院医療ソーシャルワーカー)▽川越厚(ホームケアクリニック川越院長)の3氏が考え方を表明した。 田村氏は、終末期医療での患者や家族への相談援助などMSWの役割について発表。社会福祉士の資格を持つMSWの役割としては、患者への心理的なサポートをはじめ、患者の退院・在宅医療、臨死・死別後についての様々な相談など家族への支援を実施していることを説明した。 後期高齢者医療への提言として、後期高齢者への心理社会的問題への相談援助が必要であることを指摘し、専従MSWを必置した相談援助の機会の保障や、医療と福祉の有機的なネットワークづくりとしてMSWの活用などを求めた。 野中委員は、MSWを活用すべきだと強調し、「MSWの役割を診療報酬上でどう評価するかを検討すべきだ。病院から地域への連携が必要であり、各病院でMSWを置く必要がある」と提案した。
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