竹中麻由美「Ⅴ ソーシャルワーカーが行う管理-組織を活用するために行うマネジメント-」「Ⅵ 業務マネジメントから業務開発へ」「Ⅶ おわりに」『新訂 保健医療ソーシャルワーク原論』相川書房,2006.5,pp.91-109

以下、戒めとしてメモ。 業務マネジメントは、ソーシャルワーカーが行う業務の内容、つまり業務の範囲と方法がマニュアル化され、ソーシャルワーカー同士で共有していることが基本となる。そしてそのマニュアルの内容が適切に実施されているかどうかを測定するために、測定のための指標と基準が明らかになっていなければならない(p97)。 業務マネジメントは、ソーシャルワーカーが行うべき業務を明らかにし、それらの業務を手順どおり適切に実践していくための手段であると同時に、ソーシャルワーカー自身が、成長していくための手段としても活用できる。そして、業務マネジメントを実施していくと、現状のやり方では解決しない問題点や、新たに課題がみつかることがある。そこで求められるのが「業務開発」である(p99)。 業務マネジメントは、現状の業務過程を点検することにより、効率的、効果的な業務遂行を目指すが、このマネジメント過程で、現状を変革する必要性が明らかになることがある(p99)。 新たな課題に対応し変革をすすめていくことは「業務開発」といえる。ソーシャルワーカーにとっての業務開発は、現状の業務を検討し変革することにより、組織上でのソーシャルワーク部門の位置づけの明確化、地域での新たな社会資源の創設などを実現する(p100)。 業務開発とは、現状を変革していくことである(p100)。 業務開発を行う際に必要とされるスキル(p100)

 業務を行うスキル  専門的な価値・倫理、知識、技術体系を使用して業務を行う、再現性のある実務のスキル
 マネジメントを行うスキル  業務を科学的に分析することで性格に情報把握を行い、問題点を明らかにし、解決策を考えるスキル
 変革を行うスキル 現状の問題点に対応する解決策を実行するスキルであり、現状に満足できずに常に変革を求めるスキル
・変革を行う際に、打破しなければならない障壁(pp.101-102) システムロック 管理システムに生じる壁。人や業務内容よりもむしろ、制度や形式を重んじる。「今までこうしてきたのだから・・・」といった過去の例を理由にしたり「ほとんどのところは・・・しているのだから」といった他者の例を出して、変化を拒否することである。 ヒューマンロック 人の思考に生じる壁のことであり、新たな変化に対する不安や心理的抵抗などである。「絶対無理だ」と頭から拒否したり、「そんなことできるわけはないからやってみるだけ無駄だ」と逃げ腰になる思考である。 ・業務開発の方法(pp.102-105) (1)現状の把握 (2)現状の分析および検討 (3)ゴールの設定 (4)具体的業務開発計画の立案 (5)開発計画の実行 (6)開発計画の評価 ・業務開発の対象と課題(pp.106-107) (1)組織内における開発対象と開発課題 (2)ソーシャルワーク部門内における開発対象と開発課題 (3)地域における開発対象と開発課題 業務開発とは、「あるべき姿」と「現実の姿」とのズレを少なくしていくことである(p108)。