三重県医療ソーシャルワーカー協会における初任者研修について

7月7日の記事で取り上げた、三重県医療ソーシャルワーカー協会HPの「研修会情報」が10月16日に更新され、それと併せて初任者研修のプログラムが閲覧出来るようになった。 非常に体系立った研修プログラムであり、参考になる。特に重要と思われるセッションは、「セッションⅠ医療ソーシャルワーカーの価値・倫理」と「セッションⅦ 医療ソーシャルワーカーの援助技術と事例のまとめ方」の2つである。 価値・倫理は、抽象的ではあるけれども我々MSWにとって非常に重要なソーシャルワークの構成要素であり、これらを抜きに援助技術を身につけることは大変危険である。この点について、キチンと押さえた上で初任研修が行われることは大変良いことだと思う。 また、理学療法士会や作業療法士会の新人教育プログラムにも組み込まれているが、「事例のまとめ方」について講義を受ける機会があることも重要である。様々な臨床で、事例報告が行われているが、統一した方法でなされるわけではないため、形式は言わば「報告者の趣向」に左右されているのが現状である。こういった形で「事例のまとめ方」について講義を受けることができれば、前提を共有した上で合理的に事例内容について議論する基礎作りとなりうる。 加えて、講師が全員現役のMSWらであることが面白い。臨床家が研修講師として登場する機会が増えれば、初任者にとっては親近感が、研修講師にとっては自己の経験の相対化が双方に得られ、臨床家総体にとって良い影響をもたらしてくれる。 本研修会がいつ頃から開催されているのかは不明だが、今後もぜひ続けていってもらいたいものである。 【概要】 日程:2007年6月3日から2007年7月1日までの3日間 研修合計時間:13時間50分(ガイダンスのみ計算から除外) 参加費:無料 会場:第1回 アスト津      第2、3回 三重県総合文化センター 対象:経験3年以下の初任医療ソーシャルワーカーの会員 【関連】 ・福岡県医療社会事業協会基礎研修講座東京都医療社会事業協会の研修北海道医療ソーシャルワーカー協会の研修