鶴舞散歩(07.10.29)

・木之下徹「在宅医療におけるBPSDへのかかわりと課題」『老年精神医学雑誌』第18巻増刊号-Ⅱ,2007,pp.35-36 種類:解説 ※著者は、東京都品川区にあるこだまクリニックの医師。訪問診療に積極的に取り組んでいる。こういった診療所には、医療ソーシャルワーカーが勤務している場合があり、全国で3,000人程が活躍している(『平成17年度医療施設調査』より)。アウトリーチによって本人・家族へ介入し、多職種や社会資源を結びつけることが特徴かと思われる。 ・田北昌史「BPSD治療の実際」『老年精神医学雑誌』第18巻増刊号-Ⅱ,2007,pp.37-38 種類:解説 ※著者は、福岡県福岡市にある今津赤十字病院の副院長(精神科医師)。「臨床場面ではBPSDと思われる症状の背景に種々の要因が隠れていて、薬物療法が必ずしも治療の第一選択にならない場合に時に遭遇する。『まず薬物療法』の前にその症候が本当に薬物療法が必要なBPSDであるかを検討する必要があると思われる。」との問題意識から、①発熱によるせん妄状態、②他疾患による症状、③薬剤性の精神症状の3例について取り上げている。ソーシャルワーカーの報告と違って、文章が読み易い。 ・五十嵐康「抑肝散の動物モデルにおけるBPSD様症状の改善作用」『老年精神医学雑誌』第18巻増刊号-Ⅱ,2007,pp.46-49 種類:量的研究 ※BPSDにおける興奮・攻撃性の治療に、漢方の抑肝散(TJ-54)が効果的という巷の噂に、販売元のツムラ研究所が研究に乗り出した。「基礎的研究はほとんどなく作用機序についてもまだ明らかではない。」と述べた上で、本報告ではマウスによる動物モデル研究を実施している。