地域における初任者の勉強会について

職種や地域性によって定義は異なるが、医療ソーシャルワーカーとして経験年数3~5年未満の相対的に経験の浅い、いわゆる初任者が行う勉強会について述べる。 私が所属している初任者を対象とした勉強会(といっても、経験年数は、9年~数ヶ月まで範囲は広い)では毎月近隣地域の医療機関老人保健施設・在宅介護支援センターのソーシャルワーカーが集まって、互いに現在関心のあること・困っていることについて、対等な立場で話し合っている。 ここ数年は、地域の医療機関老人保健施設ソーシャルワーカーの新規配置や増員があったため、今では30名近い参加者で構成される勉強会となった。以前は、その半分15名程度の小規模な勉強会だったため割とじっくり話しをできたのだが、これ程大所帯となってくると、①勉強会に対する期待の多様化、②所属機関の多様化による話題の専門分化、③構成員であることの意識の希薄化(一人ぐらい○○してもいいだろう・・・。)といった負の側面がいよいよ表面化してきてしまっている。 一方で、30名もの地域のソーシャルワーカーが毎月この会に参加するということ自体は、「自分の知識・技術を磨こう」と主体的に参加している点で、大変頼もしい限りである。 そうすると、この会がより高いパフォーマンスを発揮できるような、つまり参加者が毎回きちんと「おみやげ」を持って帰れるような組織に変化させる必要があると、私は強く感じている。 無論、集まること自体で地域の各機関のソーシャルワーカーが横の繋がりを持てるという効果を否定するつもりはない。しかし、それはあくまでも副産物であって、会の効果の中心に置くべきものではない。私は、これまでの組織の運営方法を全否定しているのではなく、状況に応じて部分修正が必要であると申し上げている。 初任者の勉強会の目的を定義するならば、「経験年数の比較的浅いソーシャルワーカーが、組織の違いを越えて集い、自らのソーシャルワーカーとしての基本的姿勢・知識・技術を学び合い、もって一日も早くクライアントに対して必要最低限の相談援助が提供できるようになること」と言えよう。しかし、これとて私見でしかない。参加者の人数だけ勉強会への目的は定義されうるだろう。だからこそ、きちんと目的について話し合い、合意内容を文章化して共有化するという最低限の取り決めは作る必要があると思う。 そして、その上で具体的な運営方法について取り決めていく必要がある。 地域のクライエントに対して、どこのソーシャルワーカーであっても、標準的なソーシャルワークがきちんと提供できる様になるためならば、私は自分の全ての力を注ぐ所存である。