MSWの数

『病院報告』の平成18年度版データが、厚生労働省統計表データベースに公開されている。 同資料によると、平成18年10月1日現在の診療所を除く全国の病院(精神科病院含)で働いているMSW数(常勤換算)は12,183.4人であった。内訳は以下の通り(カッコ内は前年度値)。 (内訳) a.医療社会事業従事者 8,984.2人(8,809.7人:174.5人増) b.社会福祉士 3,199.2人(2,695.5人:503.7人増) a+b=12,183.4人(11,505.2人:678.2人増) つまり、平成17年から平成18年の1年間で、678.2人増加したことが分かる。割合でいくと約6%増。平成14年度MSW数が10,021.5人であり、この4年間で約2,000人増加してることが分かる。平均して1年に約500人ずつ増加していると仮定すると、笹岡会長が目標としている、3万に到達するには、約36年かかる計算になる。((30,000-12,183.4)÷500)=35.6332年。 ただし、平成20年度の診療報酬改訂により、以下2点の変化が見られた。 ①(後期高齢者)退院調整加算の施設基準に看護師と共に社会福祉士の名称が掲載された ②亜急性期入院医療管理料の算定要件が緩和された これにより、今後病院で働く社会福祉士の人数が増加することが考えられ、結果として増加のカーブが現在よりもさらに上昇する可能性がある。 なお、『医療施設調査』では、3年に一度大規模調査を実施し医療従事者数を集計している。それによると、平成17年10月1日現在、一般診療所(歯科診療所を除く)で働くMSW数(常勤換算)は、約3,000人であった。 今後、即物的な社会要因(診療報酬上の位置付けや病院機能評価)を含めたMSW数の動向把握が重要であろう。 注:厚生労働省大臣官房統計情報部企画課普及相談室によると、bはaの再褐ではないため、それぞれ独立した職種として同調査内では認識されている。どちらの職種としてカウントするかは、あくまでも同調査の依頼を受けた病院担当者あるいは当該部署責任者の判断による。なお、aの中にも、社会福祉士を取得している者がいることが予想される。