厚生労働省『安心と希望の医療確保ビジョン(案)』2008年6月18日

6月18日、厚生労働省が公表した「安心と希望の医療確保ビジョン(案)」について、新聞各紙が取り上げている。(朝日新聞)(毎日新聞)(日本経済新聞)(読売新聞厚労省は、この報告書の中で、医師が「偏在している」から「不足している」という事実認識に改め、医学部定員の抑制政策に関する97年の閣議決定を見直すことを宣言している。 ここで見落としてならないのは、医師だけではなく、看護師をはじめとしてコメディカルの雇用数の増加にも触れており、特に本報告書の中でメディカルソーシャルワーカーの普及を進めることが明記されていることである。 具体的には、「安心と希望の医療確保」のための3本柱の「3 医療者と患者・家族の協働の推進」(3) 患者や家族の医療に関する理解の支援において以下の記述がある。 「患者や家族に対し療養生活上の心理的社会的問題の解決援助を行うメディカルソーシャルワーカーや、医師等と患者側とのコミュニケーションの仲立ちをするボランティア等を活用することで、自らの療養生活を自立的に構築していけるよう、そうした職種の普及を進める。」(pp.14-15) この様な、厚労省の青写真となる報告書に、MSWのような医療界ではマイナー(1万人規模)な職種名が掲載されたことは、我々の業務をアピールするためにも強い追い風となってくれるのではないだろうか。上手く、この文章を活用して日本協会執行部の方には活動を展開してもらいたいと願う。 なお、患者・一般市民に対して、医療の公共性やリスクや不確実性の啓蒙・理解を促す役割を担うことと、医療保険・医療提供体制の構造的矛盾を「しょうがないよね」と納得させることとは峻別して取組みたいと思う。