退院調整加算及び後期高齢者退院調整加算に経過措置

厚生労働省は7月14日、平成20年度診療報酬改定に関する『疑義解釈資料の送付について(その3)』を公表した。 その中で、 退院調整加算及び後期高齢者退院調整加算の施設基準について、これまで「看護師又は社会福祉士」としていたものを、退院支援に関する5年以上の経験を有するMSW(非社会福祉士資格保持者)にも、当分の間認める旨の解釈を示した。あくまでも経過措置であり、今後「看護師又は社会福祉士」に統一される可能性は高い。しかし、社会福祉士資格を持たず、MSWとして医療機関において退院調整業務を行っている者が少なくないことから、厚生労働省は今回の拡大解釈を行ったものと思われる。 今回の疑義解釈を受けて、該当する医療機関では早速算定を開始し、MSWに社会福祉士資格取得を業務の一環として支援していくところが出てきそうだ。 以下、該当部分を転載。


【入院基本料等加算】 (問6) 退院調整加算及び後期高齢者退院調整加算の施設基準である「専従の看護師又は社会福祉士」として、いわゆるMSWは認められないのか。 (答) 退院調整に関する5年間以上の経験を有するものについては、当分の間、当該加算の要件である「看護師又は社会福祉士」として認めて差し支えない。
追記 「社団法人 日本医療社会事業協会2008年度定期総会議事録」『(社)日本医療社会事業協会ニュース』№20-1,2008.6.30,p14 「診療報酬の退院調整加算の件で、先ほど冒頭に笹岡会長から認定基準について『看護師または社会福祉士』の後に『等』がついたという報告があったが、診療報酬家の研修に参加したときに『「医療ソーシャルワーカーとは社会福祉士を持ち、保健医療分野で生活相談に応じる人」と整理された』と定義づけられている理解したが、それに『等』という一文字がついたことによって、この整理がうやむやになるのではと危機感をいだいた。協会としてはどのように『等』という一文字を理解して、今後、社会福祉士一本で来たのに『等』なんか要らないというふうに撤回を求めるのかどうか、そういったことをどのように対応していくかをお尋ねしたい。」(会員発言) 「社会福祉士『等』がつかなかったということをきっぱりあそこで申し上げた。『等』はつけないということで最初の整理があって通知が出たとおりである。きのうの電話で、それに関しては、ひとり職場で社会福祉士を持っていないという人がいると、そういったところから、もうちょっと全員が持っていないのでしばらく『等』をつけたほうがいいのではないかという判断があったと聞いている。会長会の中でも、そして私どもの理事会の中でも、まだ社会福祉士の資格を持っていない方がいることは事実なので、その方に対する緩和策として『等』がついたことについて今は撤回を求めるという活動はしない方向であるということをお伝えしておく。」(笹岡会長) ※2008年5月23日現在 さっぱり事実経過が分からないが、どうやら5月23日の段階で、「いわゆるMSW」にも退院調整加算及び後期高齢者退院調整加算の施設基準について、門戸が開けていたことが確認できる。今回の疑義解釈の内容は後付のようだ。 ①2008年7月17日 追記 本事務通達では、診療報酬改定に伴う退院調整加算及び後期高齢者退院調整加算の施設基準である「専従の看護師または社会福祉士」について解釈が示されました。  厚労省、退院調整加算に関する疑義解釈資料を発出 (更新日:2008/08/01) 会員各位  後期高齢者の退院援助に診療報酬点数がついたことは、ご存じのことと思います。点数化の施設基準として「専従の看護師または社会福祉士」が規定されていることで、今回若干の緩和がありましたので、お知らせいたします。  この件では、5月の総会時点で「社会福祉士等」と「等」が告示に付け加えられるかもしれないという情報がありましたが、告示には「等」は入りませんでした。が、緩和策として、事務連絡として疑義解釈で、「5年以上の経験のある医療ソーシャルワーカーは、当分の間」上記の施設基準に含められることになりました。  この「当分の間」は、猶予期間の間に、社会福祉士資格を取得するようにという、メッセージに他なりません。事務連絡上の「当分の間」は、それほど長いということは考えられません。  社会福祉士未取得の会員におかれましては、至急社会福祉士取得にむけて努力をしていただきたいと思います。  協会として支援できることがあれば、お知らせください 出所:日本医療社会事業協会HP ②2008年8月2日 追記