ネットワーキング/ソーシャルワーク/医療

ネットワーキングの実践事例として、医療分野におけるソーシャルワーカーの活動が挙げられます。もちろん、他の分野におけるソーシャルワーカーによるネットワーキングの実践事例も興味深いですね。全国各地で取り組まれているこれら実践事例から帰納的に各要素を抽出しネットワーキング論にフィードバック出来ないものでしょうか。 実践が実践のまま個として埋没してしまわないよう、研究者と臨床家との連携が期待されます。私もまた臨床家の1人として関わっていきたいものです。 以下、神戸新聞HPより転載。兵庫県立西宮病院のHP上では、地域医療連携室のサイトがあまり充実しておらず残念。
「『地域完結型』医療に注目 県立西宮病院」『神戸新聞』平成20年7月23日 写真 地域医療再生へ、開業医との連携や患者支援に取り組むワーキンググループ=西宮市六湛寺町、県立西宮病院 兵庫県立西宮病院(西宮市)の医師や看護師らが、周辺の開業医や診療所と連携して患者の治療に当たる「地域完結型」の医療に取り組んでいる。症状に応じてより適切な診療ができることから、患者との相互信頼を築ける上、同病院勤務医の業務軽減などの成果も表れてきた。崩壊の危機が指摘される地域医療の再生策として注目を集めており、同病院は、県知事から「地域医療支援病院」の承認を受けることも目指す。(今泉欣也)  県立西宮病院の外来患者は近年、一日千人を超え、勤務医の過重労働を招いているという。  中には比較的症状が軽く、同病院以外でも対応できる患者も少なくないため、地域の病院間で機能分担し診療の効率アップを図ろうと二年前、医師や看護師、医療ソーシャルワーカー(MSW)らでワーキンググループを結成。地域の病院との転退院を橋渡しする「地域医療連携室・医療相談室」を設けた。  医師らが自ら周辺の病院を回り、医療スタッフと交流。診療内容や体制の把握に努めているほか、末期がん患者の在宅医療への移行など、MSWを中心に家族の心のケアも含めた支援を積極的に進めている。  転院先を自信を持って紹介できるため、「患者の安心と病院への信頼につながっている」とグループを統括する乾由明地域医療連携・医療情報担当部長(50)。「患者の理解も得られるようになってきた」と話す。  こうした取り組みの結果、今年四月以降の外来患者数は一日当たり七百人台にまで減少。患者の診察待ち時間が短縮され、医療崩壊の一因となっている勤務医の過酷な業務実態も徐々に改善されているという。  乾部長は「今後は街の開業医との連携網をさらに拡充し、地域医療の先進モデルとして活動を全国に発信したい」と話す。 地域医療支援病院 かかりつけ医から入院や手術が必要な患者を受け入れるほか、施設内の医療機器を地元医療機関と共同利用したり、医療従事者を対象に研修を開いたりと中核的な役割を担う。1997年の医療法改正で制度化され、都道府県知事が承認する。今年4月末現在、全国に188施設で、県内では県立淡路病院(洲本市)と神戸赤十字病院神戸市中央区)がある。 (7/23 14:06)