鶴舞散歩(08.10.11)

・「都道府県の計画積み上げ 療養病床削減目標を大幅見直し―厚労省が全国医療費適正化計画を策定(上)―」『週刊社会保障』№2498,2008,pp.36-43 種類:解説&インタビュー ※インタビュイーは、厚生労働省保健局総務課医療費適正化対策推進室大西証史室長。各都道府県の療養病床(医療・介護)の平成24年目標値が掲載されている。(新潟・奈良・佐賀県の目標値抜け)新聞報道では詳細は分からなかったので、助かる。但し、一部地域を除いて、回復期リハの病床数はのぞいている。東京都のみ平成18年10月現在の療養病床数よりもむしろ5,842床増加を目標としている。最大病床減少数は大阪府の△11,119床。最小は山形県の△455床。ちなみに愛知県は、△4,296床としている。 ・「地域の特性に合わせ適切なサービス提供を目指す―広島県、東京都の医療費適正化計画をみる(下)―」『週刊社会保障』№2499,2008,pp.38-43 種類:現地取材 ※全国で唯一、5年後の療養病床の数を増やす目標を設定した東京都を取材している。なお、東京都では、「介護老人保健施設の整備も遅れており、20年度は1床当たり430万円の整備補助を行っている。」とのこと。この記事をみると、各都道府県によって国の指示通りに動いているところもあれば、個別に意志をもって動いているところもあることが分かる。 ・小野賢一「臓器移植におけるMSWの役割 心臓移植医療における当院でのソーシャルワークを通して」『病院』67巻10号,2008,pp.907-910 種類:実践報告 ※著者は、東京女子医科大学病院医療社会福祉室のMSW。恵泉女学園大学非常勤講師。「6名のソーシャルワーカーが在籍しており、病気の状況や経過など、より専門的に適切な支援が行えるように診療科ごとに担当制をとっています。」(病院医療社会福祉室紹介サイトより)。ちなみに、各ソーシャルワーカーの実名と専門領域が公表されている。今年の8月1日に専門サイトを開設した模様。 東京女子医科大学病院医療社会福祉室サイト 他にも、制度や手当などの紹介や介護や医療サービスなどに関する詳細(近隣の宿泊施設まで!!)な説明が掲載されており、他医療機関のMSW紹介サイト作成上大変参考になる。また、インターネットの知識がある一般市民にとっては相談に行く前にある程度の情報を得られるので便利だろう。「制度はどんどん変わるから、あまり文章にすることは良くない。」と言っている様ではもう古い?! これだけの情報量を掲載することはとても骨が折れる作業であったに違いない。6名のMSWのこれまでの実践の蓄積の賜物であろう。大変意義深いお仕事である。 【コメント】 『病院』誌の読者に対して、心臓移植におけるMSWの役割や実践内容を紹介する目的は達している。こういう専門特化したMSW実践は大変興味深い。実践の具体的プロセス、禁忌、費用といったノウハウについてもっと知りたいと思った。著者の今後の報告に期待したい。