新刊案内

有斐閣HPが12月11日にリニューアルされました。 刊行予定の欄に3点、興味深い本があります。ただし、著者名がスッポリ抜け落ちているため、誰の著作かを探すのがひと手間です。 1.岩田正美『社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属』有斐閣,2008.12.18,210ページ、1,575円。 ○内容 ホームレスやネットカフェ難民,長期失業の若者や日雇い派遣など,福祉国家の制度からこぼれ落ち,呻吟する人々。彼らはなぜ,どのようにその拠り所を失ったのか。貧困研究の第一人者が「社会的排除」概念の意味と役割をクリアに示し,日本のリアリティに鋭く迫る。 ○目次 はじめに 序 章 社会に参加するということ 第1章 「社会的排除」とは何か 第2章 社会的排除vs.貧困 第3章 社会からの「引き剥がし」と「中途半端な接合」──路上ホームレスからみた2つの経路 第4章 若者と社会への「中途半端な接合」──ネットカフェ・ホームレスの場合 第5章 周縁──地域空間と社会的排除 第6章 セーフティネットからの脱落──福祉国家社会的排除 終 章 社会的包摂のあり方 あとがき 引用文献 さらに読み進む人のために 2.古川孝順『社会福祉研究の新地平―社会福祉研究の新たな時代へ―』有斐閣,2008.12.26,290ページ、4,410円 ○内容 現在,未曾有の変化のなかにある日本の社会福祉研究は,それに対応した概念の再構築を求められている。さまざまな社会サービスと社会福祉との関係を分析し,常に研究の最前線で理論モデルを構築してきた著者による,新時代の社会福祉研究への提言。 ○目次 第1章 社会福祉概念の再構築 第2章 社会福祉研究の方法 第3章 社会福祉研究における理論と歴史 第4章 格差・不平等社会の社会福祉 第5章 社会福祉士の職域拡大 第6章 社会福祉専門職の職務と養成問題 第7章 社会福祉の外延的拡大と再編成 第8章 社会福祉における現代 第9章 社会的養護と規制改革 第10章 社会福祉と人的資源開発 3.玉瀬耕治『カウンセリングの技法を学ぶ―力量を高めたい人に―』有斐閣,2008.12.25,250ページ,2,205円 ○内容 カウンセリングの力量をいかに高めるか。マイクロカウンセリングの考え方をふまえつつ,技法を1つずつ学ぶことができるように段階的に構成した初学者向けの実習書。「カウンセリング実習」「臨床心理学実習」「臨床心理面接特論」などの講義に恰好の入門テキスト。 ○目次 第1部 技法を学ぶための基礎知識  第1章 カウンセリングの考え方  第2章 カウンセリングの理論  第3章 発達・文化とカウンセリング 第2部 基本的なかかわり技法を学ぶ  第4章 マイクロカウンセリング──技法を学ぶために  第5章 よい雰囲気をつくる──かかわり行動  第6章 発話を促す──質問技法  第7章 事実を明確化する──はげまし,いいかえ,要約  第8章 情動を安定させる──感情の反映技法  第9章 技法を組み合わせて使う──基本的傾聴の連鎖 第3部 積極技法を学ぶ  第10章 自己開示とフィードバック  第11章 意味の反映と解釈  第12章 対決による自己矛盾への気づきの促進 第4部 技法をきわめるために  第13章 発達カウンセリング・療法とマイクロ技法  第14章 日本人に合ったカウンセリング──「甘え」の問題  第15章 カウンセリング研究における測定の問題──尺度の作成と利用