「家族を在宅で看取るための多職種連携とは」『CBニュース』2009/07/14

在宅部門のソーシャルワーカーアウトリーチをかける積極的姿勢。R.C.キャボット(1969)が診療所での勤務経験から必要性を訴えたソーシャルワーカー職。原点はここにあり、またミクロからメゾへと対象領域が広がりつつあるソーシャルワーク実践の最先端でもある。是非もっと実践を言語化・文章化して頂きたい。 以下、CBニュースHPより転載。
「家族を在宅で看取るための多職種連携とは」『CBニュース』2009/07/14  家族を在宅で看取るためには―。「白十字在宅ボランティアの会」がこのほど東京都内で開いた「この町で健やかに暮らし、安心して逝くために」と題したシンポジウムでは、1人の患者と、その患者を支えた在宅診療所のソーシャルワーカー、薬剤師、訪問看護ステーションの看護師が、在宅で家族を看取るために必要な方策などを語った。 【関連記事】 10日に、在宅での看取りをテーマにシンポ 在宅医療の充実へ多職種の連携を 顔の見えるネットワークを-在宅医療学会シンポ 「認知症の人に地域の持つ力を」 「主体的に生きる権利は患者にある」  在宅でがんの妻を看取った三宅秀人氏は、患者を支えるチームが心を開いた連携をスムーズに進めるためには、患者の家族として、患者がしてほしいと思われることを、患者を支える医療職にどう伝えていけばよいかが大切と語った。  在宅医療を担う「フジモト新宿クリニック」でソーシャルワーカーを務める藤本紹代氏は、在宅医療を行う際の基本的な相談支援の体制として、まずは家族の状況や患者の病歴、介護保険などの活用状況、患者と家族の希望などについて話を聞き、情報を収集することを挙げた。その上で、「(患者の)つらい状況が何であるかをたどっていくこと、少しでもその状況を軽くする支援に今何が必要かということを考えていけたら」と述べた。  白十字訪問看護ステーション看護師の奥坂喜美子氏は、「点滴をしているから無理だとか、痛みがあるから在宅では無理なんだと、最初から在宅(医療)を否定してほしくない」と述べた上で、最期は病院で迎えると決めるのではなく、在宅医療も可能ということを患者本人や家族が理解し、最期をどう迎えるかを決めてほしいと語った。  続いて行われたパネルディスカッションでは、藤本氏が病院から在宅医療への移行について、病院にソーシャルワーカーや医療連携室があり、在宅医療につなげるということに慣れている場合などでは、うまくいくケースが多いと述べた。  また、在宅医療に移行する際の退院前カンファレンスで、在宅医療を担う訪問看護師が知りたい情報は何か、といった会場からの質問に対し奥坂氏は、患者の病状や家族の中でキーパーソンになる人、患者や家族が在宅での療養をどう思っているのかという点などを挙げた。 ■2つの課題克服で在宅ホスピスは可能に  冒頭行われた基調講演では、宮崎県の「いしかわ内科」副院長で、熊本在宅ドクターネット学術担当の松本武敏氏が、患者の死を「豊かなもの」にするためには、在宅ホスピスが普及し、チーム医療により多職種が連携することが大切と述べた。また、在宅ホスピスを普及するために克服すべき課題として、早期から医療用麻薬を上手に使うことで患者の症状コントロールを確実にすることや、介護保険制度を利用した上で家族や地域が連携し、家族の介護負担を軽減することを挙げた。