「エーザイ、ゼリー剤承認取得で「アリセプト」充実へ」『CBニュース』2009.8.13

アリセプトは値段さえ高くなければ、療養病床や老健でももっと普及が進むのでしょうが・・・。 以下、CBニュースHPより転載。
エーザイ、ゼリー剤承認取得で「アリセプト」充実へ」『CBニュース』2009.8.13 アルツハイマー認知症治療薬「アリセプト」を製造販売する製薬大手のエーザイ。同社の2009年3月期決算によると、連結売上高は7817億4300万円で、このうちアリセプトの売上高は約3038億円。全体の4割近くを占める稼ぎ頭だ。同社は7月に、日本での内服ゼリー剤の承認を取得しており、今後、アリセプトの剤形の選択肢が広がることになる。  アリセプトは、神経伝達物質である脳内のアセチルコリンの濃度を高める作用を持ち、認知症患者の中核症状進行を抑制することができる。1996年11月にFDA米食品医薬品局)から承認を受け、翌年米国で発売された。同じ年、英国でも発売され、日本では99年10月に承認を受け、同年11月に発売された。日本では唯一のアルツハイマー認知症治療薬であり、同様の薬剤が複数承認されている米国や欧州全体でも、トップシェアを誇っている。  現在、錠剤、細粒剤、口腔内崩壊錠が発売されている。販売ベースで約65%を口腔内崩壊錠が占めている。介護施設訪問がきっかけ  同社は7月22日、アリセプトの新たな剤形となる内服ゼリー剤の製造販売承認を日本で取得したと発表した。程よい甘さのあるはちみつレモン風味。ある程度の硬さと粘性はあるが、服用しやすいように舌でつぶすことができ、水なしで服用が可能だという。  このゼリー剤を開発するきっかけとなったのが、開発担当者が介護施設を訪問したことだ。嚥下障害を持ち、水を飲むことが困難な人がゼリーを摂取していた。その様子を目の当たりにした担当者は、ゼリータイプの製剤であれば、嚥下障害を持つ人でも服薬が可能なのではないかと考え、開発を行ったという。  同社PR部では、「すべてゼリー剤にするということではなく、主力は口腔内崩壊錠であり、あくまでも新たな選択肢の一つ。ゼリー剤を含めた4種類の選択肢の中から医療者、介護者、患者が最適な剤形を選ぶことにより、今まで薬物治療ができなかった人にも治療を受けてもらえるようになるのではないか」と期待を寄せている。  また、発売の時期については未定としながらも、年内の薬価収載を期待しており、そのタイミングで発売したいという。 ■今後の展開は  同社は現在、米国でアリセプトの23mg徐放製剤の「フェーズ3」試験を終了し、解析を行っている。9月末までにFDAに申請した上で、承認が下りれば来年度中の米国での発売を目指すとしている。  アリセプト経皮吸収型のパッチ製剤(ドネペジル貼付剤)については、帝國製薬の米国現地法人などとライセンス契約を締結し、開発に取り組んでいる。現在は米国で、既に発売されている錠剤との同等性などを検証するための臨床試験を進めており、今年度中にFDAに申請する計画という。  また、認知症の根本的な原因に対するアプローチと共に、ワクチン療法や抗体療法に関する基礎研究を他社と共同で行っているとしている。