平成22年度文部科学省 予算主要事項でのMSW採用は見送りか

文部科学省は来年度予算要求において大学病院の医療ソーシャルワーカー等を1,342名約48億円の雇用に必要な経費を計上したが、どうやら暗礁に乗り上げているようです。変更点は以下の3点。 ①予算規模としては、79億円から約22億円と約4分の1に圧縮。 ②文章表現上は、「医師事務作業補助者、医療ソーシャルワーカー等の雇用」という文言から、「医師事務作業補助者等を雇用」と医療ソーシャルワーカーの文言削除(「等」への包括?)へと変更。 ③採用数としては約2,500名から870名へ圧縮。 10月16日の記事で文部科学省が、平成22年度予算の概算要求に大学病院の医師の負担軽減策の一環として、医療ソーシャルワーカー等を1,342名採用するための予算約48億円を計上したことを紹介しました。 その後、昨年末、内閣府にて平成22年度予算(案)が発表されたことを受け、文部科学省は、12月26日に平成22年度文部科学省 予算主要事項を発表。 同予算主要事項の「3.大学教育の充実と教育の質保証 (2)医学教育を通じた医師等人材確保対策と大学病院の機能強化②大学病院の機能強化」に、以下の記述が見られます。


概要: 深刻な医師不足や地域の医療崩壊に対応し、国民に対して安心・安全な医療を提供するための設備整備を行うとともに、優れた医師等を養成する大学病院の取組を支援し、人材養成機能を強化する。 ◆大学病院における医師等の勤務環境の改善のための人員の雇用【新規】   約22億円 国公私立大学病院において、医師事務作業補助者等を雇用し、関係職種間の役割分担を推進することにより、医師・看護師の業務負担の軽減を図る。870名
ちなみに、文部科学省高等教育局『08.平成22年度概算要求主要事項  (PDF:1,048KB) 』2009では、以下の様に要求されていた。 ②医師事務作業補助者、医療ソーシャルワーカー等の雇用79億円 ・医師事務作業補助者等の雇用に必要な経費3,024,000千円 1,120名×2,700千円 ・医療ソーシャルワーカー等の雇用に必要な経費4,831,200千円 1,342名×3,600千円 予算要求時点では鳴り物入り的な要求事項に驚いていましたが、結果的には実現は困難な状況の様です。残念。しかし、どういう経緯でこの要求事項が登場したのか、その点については引き続き興味があります。