新刊案内

大変興味深い本ですね。日本福祉大学近藤克則教授も分担執筆されて見えますね。以下、東京大学出版会HPより転載。 宇沢弘文ほか編『社会的共通資本としての医療』東京大学出版会,2010.3 判型:A5, 384頁
○内容紹介 日本の医療のおかれている危機的状況はいかにして起こったのか.医療の各分野で活躍する第一人者たちが,その生成の根幹を明らかにするとともに,イギリスの改革の実態を教訓に,理想的な医療制度を実現するための方策を提言する。 ○主要目次 はしがき(宇沢弘文・鴨下重彦) プレビュー(宇沢弘文) 序 章 社会的共通資本としての医療を考える(宇沢弘文) 第I部 社会的共通資本としての医療を実践する 第1章 医の道を歩んで四分の三世紀(日野原重明) 第2章 住民とともにつくる医療(鎌田 實) 第II部 イギリスの医療の歴史から何を学ぶか 第3章 「ベヴァリッジ報告」から日本の国民皆保険制度へ――社会的共通資本としての医療を制度化する(冨澤達弥) 第4章 日本の医療崩壊後期高齢者医療制度――イギリスのNHSの歴史を教訓に(宇沢弘文) 補 論 官僚的な管理ではなく、自由な診療を!(イェエルク・ディートリヒ・ホッペ) 第5章 イギリスの医療荒廃と労働党政権による改革――成果と課題、日本への示唆(近藤克則) 第III部 日本の医療の現状と改革の展望 第6章 社会と医療の軋轢(小松秀樹) 第7章 日本の医療に未来はあるか(鈴木 厚) 第8章 日本の病院医療を崩壊させないために(出月康夫) 第IV部 理想的な医療制度を実現するために 第9章 医に対する人間的、社会的信頼を如何にして取り戻すか(平林 洌) 第10章 医療崩壊を前に、いま、我々は何をなすべきか――日本の医療改革を考える(杉岡洋一) 第11章 理想的な医学教育制度を考える(鴨下重彦) 第12章 大学から始める大学病院革命(黒川 清) あとがき(鴨下重彦) ○担当編集者から 編者がこの十数年間取り組んできた,「社会的共通資本」の考えを提唱する新しいシリーズです.第1作の本書では医療の問題を取り上げます.後期高齢者医療制度にお年寄りは憤慨し,研修医制度の変更は地方の病院からは医師を激減させ,その病院では医師も看護師も疲れきり,経営はどこも悪化の一途をたどっています.日本の医療はなぜこんなことになってしまったのでしょう.あるべき医療を真摯に求め続けてきた13人の識者が,医師と患者にとっての理想の医療とは何かを訴えます.本書の提言が,広く世に共有されることを期待します。