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大腿骨頚部骨折及び脳卒中地域連携パスの会議に出席しました。パスが出来たことにより、合理的に転院が進む体験をすることで改めてパスの効果を実感しています。急性期のMSWは確かに個別援助を得意としますが、平均在院日数の短縮化の中で、それ「だけ」では業務がこなせない現実もあります。 退院援助(患者・家族への心理社会的援助)というよりも退院調整(転院先への受け入れ打診や調整)に多くの時間を費やしており、退院調整プロセスのシステム化とコストの圧縮を図ることが必要と思います。それにより得られた時間を退院援助に再分配することを忘れてはいけませんが。 社会福祉領域で言われてきた、地域診断、地域福祉、コミュニティーオーガニゼーション、スキルとしてのコーディネーションとネットワーキングという文脈から見れば、地域連携パスは必ずしも全く別世界のものとは映らないのではないだろうか。


岡田晋吾ほか編『書籍情報印刷パスでできる!がん診療の地域連携と患者サポート』医学書院,2009.12 4200円 160ページ 第1章 はじめに 第2章 がん診療における地域連携に必要な要件 第3章 がん診療の現状と地域連携-わが国のがん対策について 第4章 地域連携のためのネットワーク構築の類型化  1 4疾患5事業のネットワーク構築  2 がん診療のネットワーク構築 第5章 がん診療における地域連携パス  1 概説  2 胃がん  3 大腸がん  4 肺がん  5 肝がん  6 乳がん  7 前立腺がん 第6章 緩和ケアと地域連携 第7章 がん診療における地域連携室の役割 第8章 がん患者の退院調整 第9章 ホスピス病院と地域医療機関との連携 第10章 がん診療におけるかかりつけ医の役割と連携 第11章 保険薬局の役割と課題 索引


こちらは、4月発刊予定。 日本医療マネジメント学会/監『がん地域連携クリティカルパス ―がん医療連携とコーディネート機能 』じほう,2010年4月 4,200円 250ページ  ○内容 がん対策基本法に基づき策定されたがん対策推進基本計画(2007年6月)では、地域がん拠点病院での5大がんに関する地域連携クリティカルパス(以下、パス)の整備が義務づけられ、拠点病院と地域医療機関との間で、パスを用いた協力体制の構築が必須となりました。  2008年度からは改正医療法に基づく新医療計画がスタートし、都道府県は4疾病5事業について、従来の2次医療圏にこだわらない弾力的な圏域設定を行い、医療連携体制を構築することとなっています。この計画においてもパスを整備するよう求められており、診療報酬上の後押しも相まって、今後は急速に進展すると予想されています。  本書はこうした動きを踏まえつつ、2008年にスタートした厚生労働科学研究「全国のがん診療連携拠点病院において活用が可能な地域連携クリティカルパスモデルの開発」の成果を中心に、がん医療連携についてわかりやすく解説しました。  今後ますます医療のキーとなる「地域連携」について、本書で学んでみませんか? 【目次】 第1章 がん医療における政策と方向性   (1)わが国のがん対策の歩みと課題   (2)がん対策基本法とがん地域連携クリティカルパス   (3)がん患者家族が求めるがん地域連携への視点   (4)2010年診療報酬改定とがん地域連携クリティカルパス 第2章 がん診療ネットワーク構築   (1)コーディネート機能の必要性   (2)診療所の立場から   (3)都道府県がん地域連携拠点病院の活動      a.東京都/b.大阪府   (4)医師会の活動      a.神奈川県横須賀市/b.東京都板橋区 第3章 がん地域連携クリティカルパスの実際   (1)胃がん/(2)大腸がん/(3)乳がん/(4)肺がん   (5)肝がん/(6)前立腺がん/(7)緩和ケア   (8)がん疾患地域ITネットワークと電子地域連携クリティカルパス