「介護施設の総量規制撤廃 厚労省、12年度から 」『日本経済新聞』2010/6/5

次回の第4期(2012~14年度)介護保険事業(支援)計画から参酌基準が撤廃されるかも知れないという記事。現段階では確定ではありません。4人床の従来型特別養護老人ホーム老人保健施設の更なる建設を望みます。 以下、日本経済新聞HPより転載(赤字は管理者が加工)。
介護施設の総量規制撤廃 厚労省、12年度から 」『日本経済新聞』2010/6/5 厚生労働省は4日、特別養護老人ホームなど介護施設の総利用者数を一定の範囲に抑える規制を撤廃する方針を固めた。介護サービスが施設の利用に偏ることを防ぐための規制だが、入居希望者が多い地域でも新たな介護施設を増やすのが難しい結果を招いている。地域の需要に応じて、自治体が自由に整備できるようにする。  同省は行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会事務局に、規制を撤廃する方針を伝えた。市町村が作る2012~14年度の施設サービス計画からなくす方向だ。  国は介護施設の利用者数を抑える「参酌(さんしゃく)標準」と呼ぶ目標を定めている。具体的には施設の利用者数を要介護2以上の人数の37%以下に抑えるように定め、全国一律で適用している。  市町村はこの目標を参考に、3年間の施設サービス計画をつくる。計画以上に利用者数が増えれば、自治体(主に都道府県)は民間による施設の開設を拒否できる。自治体が施設数を抑えるための根拠となっており、事業主から見直しを求める声があった。  撤廃により、市町村は地域の事情に合わせて自由に介護施設を整備できるようになる。財政余力のある地域では、特別養護老人ホームの開設が増え、大都市部では富裕層を狙った有料老人ホームが増える可能性がある。ただ、施設の開設を認める権限は自治体に残るため、地域によっては財政難などを理由にした量的規制が続く見通しだ。  規制を外して介護施設が過度に増えると、介護給付費も増え、公費の積み増しや保険料の上昇につながりかねない。自治体の財政力の違いで、サービスの地域格差が広がるとの懸念もあった。  手厚い介護を必要とする人が入る特別養護老人ホームでは、入居待ちの人が約42万人に上り、施設不足が深刻だ。希望するサービスを受けられない地域も多い。厚労省が5月に介護保険の利用者を集めた意見交換会では「十分な施設整備を進めてもらいたい」との意見が相次いだ。  行政刷新会議の分科会は「国が一律にサービス量を制限すべきでない」と撤廃を主張してきた。厚労省は「地域格差が広がる」と懸念を示していたが、介護保険制度の発足から10年たち、全国一律で規制する必要性が薄れたと判断した。