北海道医療ソーシャルワーカー協会の会員情報公開

北海道医療ソーシャルワーカー協会は、今年度に入って2つの情報公開を行っている。1つは、4月16日に掲載された「札幌支部連絡協議会所属支部の所属機関名簿」。もう1つは、6月7日に掲載された「会員組織部による組織率、配置率調査」だ。 前者は、同協会札幌支部連絡協議会所属支部のみではあるが、所属機関の一般情報はもちろん、MSW氏名や直通電話・FAX、機関機能、所属機関のPR等が掲載されている。愛知県医療ソーシャルワーカー協会でも、会員内部のみに配布される冊子はある。しかし、同協議会の様に、HPに掲載し誰でも観られるようにしてあることは門戸が広くて大変良い取り組みと思う。 後者は、職能団体にとって生命線ともいえる情報の公開である。「会員資格取得調査報告」では、正会員・準会員合わせた会員768名中、「社会福祉士」資格取得者は587名(76.4%)、「介護支援専門員」資格取得者は361名(47.0%)。 何故か、正会員よりも準会員の方が「社会福祉士」資格取得者の割合が若干高くなるのが興味深い。ちなみに、日本医療社会事業協会が発表した直近2007年9-10月の「社会福祉士」資格取得者の割合は71.6%であった(資料参照)。 次いで「2010道内のMSW配置状況、会員組織率調査報告」では、はじめに道内各支部ごとに総病院数を算出し、そこにMSWが配置されているか否か、その配置率を表している。全道では65.1%のMSW配置率であることが明らかとなっている。また、MSW配置病院数のうち会員配置施設の割合、会員組織率は過去3年連続で低下していたところ、今年上がっていることが分かる。 一方の介護老人保健施設では、会員組織率において2005年度の41.4%を最高に、毎年低下し、2009年度には28.2%にまで低下していることが分かる。 この様に、会員情報を公開することは組織の透明性のアピール及び「印象を基にした議論」から「データを基にした議論」への移行のを表しており大変興味深い。愛知県医療ソーシャルワーカー協会においても同様の情報公開を実施してもらいたい。 ○資料 ・日本医療社会事業協会組織部「2007年度会員調査報告」日本医療社会事業協会編『医療と福祉』№83,vol.41,№2,2008,pp.2-13