「外来患者も医療費立て替え不要に 厚労省、高額療養費見直し」『共同通信』2010/12/02

2010年7月14日に開催された、第38回社会保障審議会医療保険部会から約5か月が経過。70歳未満の「一般区分」の低所得層の自己負担上限額の引き下げが検討されていましたが、同年9月8日の部会で発表された粗い試算では、給付費ベース約2600億円(うち保険料約1700億円、公費約900億円)の新たな財源が必要となることがわかりました。結果、断念とのこと。 批判回避の策として、外来診療における高額療養費の現物給付化という案が出されました。「実施時期については、来年度中から対応可能な保険者で順次開始し、2012年度から全保険者での実施を目指す。」(CBニュース)とのこと。 確かに外来でのがん治療及び検査費用の様に、高額な医療費の立て替えが不要になるという点では改善です。しかし、自己負担そのものが軽減されるわけではないため「手続きレベル」での改善に過ぎません。何故、限度額適用認定証制度創設時にセットで実施しなかったのか疑問です。 ○関連 ・『第43回社会保障審議会医療保険部会配布資料』2010年12月2日 ・「外来患者の窓口負担、限度額までに-高額療養費見直しで」『CBニュース』2010年12月2日

以下、47NEWSより転載。
「外来患者も医療費立て替え不要に 厚労省、高額療養費見直し」『共同通信』2010年12月2日 厚生労働省は2日、医療費の自己負担を一定の限度額までに抑える高額療養費制度について、外来患者が窓口で医療費の一部を立て替え払いしなくて済むよう手続きを見直す方針を、社会保障審議会の医療保険部会に示した。  また厚労省低所得者の限度額引き下げを検討してきたが、2千億円余りの必要財源の調整がつかず、2011年度の実施見送りを報告した。  高額療養費制度では、医療費の自己負担が限度額を超えた分は払い戻しを受けられる。外来患者の場合、いったん原則3割の自己負担分の全額を支払った後、加入する公的医療保険から差額の払い戻しを受けている。  手続き見直しで、同じ医療機関保険薬局で同じ月にかかった医療費については、限度額超過分を立て替え払いする負担が軽減される。見直しは11年度中に一部で始め、12年度から完全実施する方針。入院の場合は既に、立て替え払いは不要となっている。