新刊案内

いろいろと。
齋藤純一・宮本太郎・近藤康史編『社会保障福祉国家のゆくえ』ナカニシヤ出版,2011.5 A5判 312頁 ○内容 社会保障の理念と歴史、理論から、財政、年金、雇用、住宅、医療、若者など、各政策分野ごとの現状と課題をトータルに解説。社会保障福祉国家について考えるための格好のガイドブック。 ○目次 序――福祉国家社会保障の構想力 第I部 福祉国家社会保障の理念と現在 1.社会保障の理念をめぐって(齋藤純一) 2.社会的なものの歴史(田中拓道) ヨーロッパ福祉国家の現在とゆくえ(近藤康史) 4.日本型福祉レジーム論をめぐる対話(新川敏光) 5.アメリ福祉国家の理念的展開(坂部真理) 第II部 福祉国家社会保障の制度と展望 6.社会保障の再編構想と新しい争点(宮本太郎) 7.福祉国家財政の基本理念と構想(井手英策) 8.年金制度改革(駒村康平) 9.ワーク・ライフ・バランス(水島治郎) 10.社会的排除からみた若者の現在(樋口明彦) 11.「ホームの喪失」と福祉国家岩田正美) 12.医療保障の現状と改革(福田素生)
ロバート・E・リー,クレッグ・A・エベレット著 福山和女,石井千賀子監訳/日本家族研究・家族療法学会評議員会訳『家族療法のスーパーヴィジョン 統合的モデル』金剛出版,2011.6 ○内容 本書は家族療法のスーパーヴィジョンの入門書である。  近年、心理臨床家へのニーズが高まり,臨床教育者の質的向上,バージョンアップが求められている。著者であるRobert E. LeeとCraig A. Everettの二人は30年にわたって夫婦家族療法家を教育し,AAMFT(American Association for Marriage and Family Therapy:米国夫婦家族療法学会)の要網にもとづいて,開業クリニック,行政の機関,大学院の授業,ワークショップなどいろいろな訓練の場でスーパーヴィジョンを実施してきた。  その二人が,臨床教育者とスーパーヴァイザーに対して,家族療法スーパーヴィジョンにおける基本的な概念を明確にかつ簡潔に分かりやすく書いた本である。  これまでの先行研究では,家族療法各学派によるスーパーヴィジョン,すなわちミクロ・レベルの自己評価の効果を目的としたものが多かった。本書では,メゾ・レベルのスーパーヴィジョン学としての基盤を示せるもの,すなわち統合的スーパーヴィジョンを解説している。  スーパーヴィジョンをはじめるにあたって,家族療法の主要な学派の理念上の仮説理解を深め,自分自身の統合的スーパーヴィジョン・モデルの確立へと導いていく。また,スーパーヴァイザー・セラピスト・クライエントの世代間システムの意味の理解と各関係に見られる問題と評価,スーパーヴィジョンを構造化しスーパーヴィジョンの様式(ライブ・ビデオ,個人・グループ・スーパーヴィジョン)の範囲で実践できること,文化的,倫理的,法的な問題,多世代間(世代間)についてなど,スーパーヴァイザーとして必要な要素が盛り込まれている。 ○目次 家族療法の次世代に向けて 序文 著者について 第1章 スーパーヴィジョン過程における基本要素―スーパーヴィジョンの基本原則 第2章 実践現場に与える過去と未来のスーパーヴィジョンの歴史的影響についての理解 第3章 スタートを切る―統合的スーパーヴィジョンの基本的指針 第4章 トレーニング・システムの多世代的構造とダイナミックス 第5章 スーパーヴィジョンの発達段階的側面 第6章 スーパーヴィジョンのための主要な理論的リソース 第7章 スーパーヴィジョンの様式―ライブ,ビデオ,音声テープ,ケース・プレゼンテーション 第8章 スーパーヴィジョンの形態―個別スーパーヴィジョンとグループ・スーパーヴィジョン 第9章 スーパーヴィジョンにおける文化とコンテクストに関する課題 第10章 スーパーヴィジョンにおける効果的な実践.―トレーニング・システムの構成員の視点から 第11章 スーパーヴィジョン・プロセスを妨げる問題の取り扱い方 第12章 スーパーヴァイザーの責任と管理的側面のツール 第13章 スーパーヴィジョンにおけるあなた独自のモデルを明確にすること 第14章 統合的スーパーヴィジョンの実際 第15章 私たちの旅路の第一段階を終えるにあたって 訳者一覧 文献 あとがき
佐藤優『人たらしの流儀』PHP研究所,2011.5 ○内容 国家の重責を担い外交の最前線で闘った佐藤優氏の情報収集法、読書術、人脈構築と活用法といったノウハウをビジネスマンに伝授。 ○目次 インテリジェンスとインフォメーションの違い 正しい情報を取るための二つのルール インテリジェンスとランチ 天に宝を積む いい本の選び方、いい読み方 インテリジェンス的情報収集術―新聞と嘘 ローンとホノラールと貨幣の品格 人間として失ってはいけない大切な感覚 聞き上手になる 相手についている「見えない値札」を見抜く 小さな嘘で相手を見抜く 異業種交流会は夢への架け橋!? オウム返し話法とお金の哲学 人脈のメンテナンスと耐エントロピー構造 テクネーとエピステーメー
安田節之『プログラム評価―対人・コミュニティ援助の質を高めるために 』新曜社,2011.5 ○内容 保健・医療・福祉から教育・心理・産業組織に至るまで、いまやあらゆる領域で対人・コミュニティ援助の取り組みが実施されています。多くの人が関わるこれらのプログラムでは、具体的な活動内容や実施状況に加え、効果があることを客観的に検証・報告するアカウンタビリティ(説明責任)が強く求められます。これに応えるべく研究が盛んなのが、プログラムの目的から活動のプロセス・結果までを可視化し、体系的に捉える「プログラム評価」です。好評既刊書『プログラム評価研究の方法』の著者の一人が、評価を始める準備から報告書まで、さらにコンパクトに全体像をまとめました。たしかな根拠にもとづくより良い実践を目指すすべての人にお勧めできる入門書です。 ○目次 プログラム評価 目次 まえがき 第1部 プログラム評価とは何か 1―1 プログラム 1―2 評 価 1―3 調査との違い 1―4 評価目的 1―5 評価者 第2部 プログラムのプランニングとマネジメント 2―1 プログラムの実施背景 2―2 プログラムニーズ 2―3 ニーズアセスメント 2―4 リソースアセスメント 2―5 プログラム・プランニング 2―6 インパクト理論 2―7 ロジックモデル  2―8 評価可能性アセスメント  第3部 プログラム評価の方法 3―1 評価クエスチョン 3―2 プロセス評価  3―3 パフォーマンス測定  3―4 アウトカム評価  3―5 アウトカム評価のアプローチ  第4部 実験デザインに基づく評価 4―1 エビデンス  4―2 因果関係  4―3 比 較 4―4 外生要因  4―5 実験・準実験評価デザイン  第5部 評価実践の報告とスタンダード 5―1 評価報告書 5―2 評価スタンダード 文献案内 事項索引 人名索引