書籍案内

いつも訪問している、立正大学の保正友子先生のHPにて、「修正版グランデッド・セオリー・アプローチを活用した3冊の本」が紹介されています。 保正先生は、ご自身の興味・関心に引きつけて、自分の言葉でコンパクトに本の内容を紹介されており、いつも多くを学ばせてもらっています。そのため、この書籍紹介のコーナーは私のお気に入りの1つです。是非先生のサイトをご覧ください。
・三毛美予子『生活再生にむけての支援と支援インフラ開発―グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づく退院援助モデル化の試み』相川書房,2003.10 ○内容 本書は、大学病院のソーシャルワーカーに焦点をあて、その退院援助の実際を質的調査の方法論であるグラウンデッド・セオリー・アプローチによって調査することによって、医療ソーシャルワーカーの行う退院援助のモデル化を試みたものである。 ○目次 第1章 大学病院のソーシャルワーカーによる退院援助(医療ソーシャルワークにおける退院援助の位置づけと今日の課題 退院援助の内容と方法に関する先行研究とその問題点 ほか) 第2章 調査設計(採用する調査方法とその採用理由 調査協力者としての熟練ソーシャルワーカー ほか) 第3章 生活再生にむけての支援と支援インフラ開発としての退院援助(ソーシャルワーカーのコンテクスト 生活再生にむけての支援 ほか) 第4章 結論―ソーシャルワークへの示唆(ソーシャルワーク実践理論に関して 医療ソーシャルワーカーに対して ほか) ・山井理恵『利用力/提供力を促進するケアマネジメント―支援困難なクライエントに対する実践活動の質的研究』相川書房,2010.10 ○著者略歴 1987年北星学園大学文学部社会福祉学科卒業。医療ソーシャルワーカー社会福祉協議会職員を経て、明治学院大学大学院社会学研究科社会学社会福祉学専攻博士後期課程満期退学。山野美容芸術短期大学講師、明星大学人文学部人間社会学科准教授を歴任。2008年お茶の水女子大学より「博士(社会科学)」を取得。明星大学人文学部福祉実践学科教授。社会福祉士。専門社会調査士。 ○内容 介護保険下の在宅介護支援センターのケアマネジャーを対象に、彼らが支援困難なクライエントを支援するために、いかなる実践活動を駆使しているかを、実際のケアマネジメント業務を手がかりに明らかにしている。 ○目次 序章 問題の所在と研究の目的 第1章 支援困難なクライエントに対する先行研究の検討と問題点―ジェネラリスト・ソーシャルワークの枠組みから 第2章 調査設計 第3章 クライエントの利用力を促進する実践活動 第4章 供給主体の提供力のアセスメント 第5章 供給主体の提供力を促進する介入 終章 結論 ・三輪久美子『小児がんで子どもを亡くした親の悲嘆とケア―絆の再構築プロセスとソーシャルワーク』生活書院,2010.10 ○著者略歴 神戸海星女子学院大学英文学科卒業。早稲田大学社会科学部卒業。日本女子大学大学院人間社会研究科博士課程修了。博士(社会福祉学)。現在、日本女子大学人間社会学部非常勤講師、洗足こども短期大学非常勤講師、NPO法人グリーフケア・サポートプラザ理事 ○内容 親たちは、子どものがん闘病と死をどのように受けとめ、対処し、その中でどのような内面的変化を経験してきたのか。そのリアルな経験に近づき、悲しみを親自身の視点から読み解く。子どもを亡くした親の経験を当事者の視点から明らかにすることによって、親を支えるための援助についても、ソーシャルワークの視点から検討する。 ○目次 第1章 小児がんで子どもを亡くした親の経験 第2章 悲嘆に関する先行研究 第3章 質的研究法による調査設計 第4章 子どもの闘病と死をめぐる親の主観的経験―子どもとの絆の再構築プロセス 第5章 母親と父親の違い 第6章 絆の再構築を支える援助 第7章 援助実践にむけての展望と課題